【海外発！Breaking News】配達先で異変を感じ取った配達員 会社のルールに違反しながらも高齢者の命を救う（米）＜動画あり＞
米ジョージア州在住で食料品の即日配達サービスを運営する米国の会社「インスタカート（Instacart）」の配達員として働くジェシカ・ヒッグスさん（Jessica Higgs）はある日、いつも通り1件の配達依頼を受けた。依頼主は離れて暮らす高齢の父親のために食料品をインスタカートで購入し、父親の家へ配達を依頼した。
依頼には配達方法の詳細も記載されており、「玄関の前に置いてください」という指示だった。これまでにも玄関前に荷物を置き呼び鈴を鳴らして受取人と会う前に立ち去る方法で配達を行ってきたが、今回配達先に到着したジェシカさんは「なんとなく『この男性を助けなければ』と思ったのです」と胸騒ぎを感じたという。
目に見えて何か危険があったわけではなく「直感だった」と話すジェシカさんだったが、インスタカートは会社として「配達先の自宅内に入ってはいけない」というルールを設けている。男性を助けるためには会社のルールと依頼主の指示を無視し、部屋へ入って男性と対面しなければならなかった。
ルール違反に加え、配達員とは言え他人の家に入り込むのは気持ちの良いことではないと感じ良心と葛藤したジェシカさんだったが、意を決して部屋の中まで荷物を運び入れることにした。ドアを開けた住人の男性は明らかに体調が悪そうで、ジェシカさんは「荷物を中に運び入れましょうか？」と許可を得てから部屋の中に入ってキッチンまで荷物を運んだ。さらにジェシカさんは部屋に入るとすぐに眩暈を感じたと言い、部屋の中にプロパンガスのタンクがあることに気がついた。
その後、自分の車に戻ってきたジェシカさんは配達がまだ残っていたが「このままにしておくことはできない」と感じ、依頼主に「男性は体調が悪そうでした。もしかしたらガス漏れを起こしているかもしれないです」という旨のメッセージを送った。すると依頼主から「息子に確認させます」と返信があり、メッセージのやり取りはこれで終わった。
そして翌朝にジェシカさんがインスタカート上で自身の評価を確認すると、この依頼主からのチップが14ドル（約1600円）から100ドル（約11000円）に跳ね上がっていた。さらにジェシカさんに対する評価が星5つになっており、「本当にありがとうございます。息子が私の父の家に確認しに行くと、ガス漏れしていたことが判明しました。あなたは私の父と息子の命を救ってくれました！」と感謝のコメントが届いていた。
これを見たジェシカさんはようやく「自分の直感は間違っていなかった」と安堵することができたとTikTokに投稿した動画で涙ながらに語っていた。続けてジェシカさんは「私はただのインスタカートの配達員です。しかしもし何かを見たら、何か声を上げてください！ 私は声を上げることができてとても嬉しいです」とコメントした。
ジェシカさんのこの投稿には今月17日の時点で390万件以上の「いいね」が寄せられており、コメント欄には「あなたはただの配達員なんかじゃない！ あなたの仕事が大切なのではなく、あなた自身が大事なんです」「自分の直感を信じたのは本当に素晴らしい」「この話を聞いているだけで涙が出てくるほど感動しているよ」「この世界にはまだこんなにも素晴らしい人がいるんだ」などジェシカさんの勇気ある行動に称賛の声が届いた。
インスタカート社もこの件について声明を出し、「私たちはインスタカートで働くことを選び、強い気持ちで他の人の生活にプラスの影響を与える素晴らしい社員たちにいつも刺激を受けています。今回の件に私たちは感動しました。ジェシカさんの働きに心から感謝しています」と述べ、大いに褒めていた。
なお配達員によって救われたというケースは過去にも発生しており、山火事が迫るなかでアマゾン配達員が避難する一家を救ったり、豹変したピットブルに襲われた女性を偶然配達に来たドライバーが助けに入ったことも話題を呼んでいた。
画像は『Jessica Higgs 2022年2月2日付TikTok「＠Instacart ＃28DaysOfEucerin ＃fyp」』『InspireMore.com 2022年2月11日付「“If You See Something Say Something.” Delivery Driver Follows Gut Instinct To Save 2 Lives.」（TikTok）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部 iruy）
