アメリカ大陸に生息するピューマはネコ科の大型肉食獣であり、ペットとして飼うにはあまりにも危険な動物です。ところが、アメリカ・オクラホマ州の野生生物保護局が「寒いからって毛皮のあるピューマを家に入れないで」とツイートしたところ、ピューマを家に入れたい人々からの猛反撃に遭ってしまいました。

Oklahoma wildlife dept. says mountain lions don't make good pets. The internet disagrees. | Live Science

https://www.livescience.com/oklahoma-mountain-lion-viral-tweet-explained

2022年1月20日、オクラホマ州の野生生物保護局が雪の上にあおむけで寝転がるピューマの写真と一緒に、「あなたは寒い。彼ら(ピューマ)は毛皮を持っている。(ピューマを)家に入れないで」とツイートしました。



このツイートは「If You're Cold, They're Cold(あなたが寒いなら、彼らも寒い)」というネットミームを基にしたもの。この言葉はもともと、外で飼われているペットを冬の間は室内に入れてあげることを呼びかけるものでしたが、ネット民によってピューマをはじめとする「通常なら家に入れない動物」の写真付きで投稿されるミームと変化しました。

野生生物保護局はこのミームに乗っかりつつ、遊び心を持ったやり方で「ピューマをペットにしないで」というメッセージを発したというわけです。ところが、Twitterユーザーが「ピューマを家に入れたい」と反応し始めたことでツイートが注目され、記事作成時点では3000件を超えるリプライや7000件以上の引用RTが寄せられる事態となっています。

「こんなに友達っぽく見えるのに安全じゃないの?」



「私は入れようと思います」



「わかった、じゃあもう入れちゃった場合は?」



「ねえ!入れてよ!」



「キャロルおばさんを外で寝かせるなんてできません!」



「もし私がピューマに殺されたなら、最後の言葉は『ここだよ、ネコちゃん、ネコちゃん』です」



野生生物保護局のソーシャルメディアコーディネーターであるサラ・サザーランド氏は、「私のメッセージはいつも『ピューマをペットにしないでください』ですが、朝起きたらインターネット上のみんながピューマをペットにしようと決めていて、とてもこわくなりました」と冗談交じりにコメント。Twitterユーザーの反応をネタにして、さらに状況を説明するコラ画像を投稿しました。

「今のオクラホマ州はこんな感じ」というキャプション付きで投稿された画像には、戦う2匹のコーギーに「野生動物を家に入れないでという私たちのツイート」「オクラホマ州全体のピューマをペットにしたい人々」というキャプションが、周囲のコーギーには「同じくピューマをペットにしたその他のTwitterユーザー」「アメリカが私たちを見る目」といったキャプションが付けられています。



一連の反応について、元ツイートの考案者だという野生生物保護局のダリン・ヒル氏は、「ほとんどの人はピューマが大きなイエネコではなく、とても危険な動物だと知っていると思います」とコメント。しかし、中にはピューマが危険であると知りながらも、ピューマをペットとして飼えると思う人がいるかもしれないと付け加えています。

野生生物保護局の上級生物学者であるジェロッド・デイヴィス氏は、ピューマは野生動物であり、ペットとして飼うとオクラホマ州では違法になると指摘。「野生動物は予測不可能な存在であり、家の中に閉じ込めるのは動物とあなたの双方にとって非常に危険です」「野生動物は人間よりずっとうまく自分の世話をできます」と述べました。