間もなく発売!日産アリアの生産工場に潜入。栃木工場の「ニッサン インテリジェント ファクトリー」が最新鋭過ぎた!
2つ目の特徴が高い精度でのユニットの搭載である。ボディは上からハンガーで吊されているが、多少斜めになっていることもある。カメラシステムで吊されたボディの位置を測定して、その位置精度をロボットにフィードバックし、下からドッキングさせるパワートレーンの角度を合わせている。リアルタイム計測によって設備位置はプラスマイナス0.05㎜の高精度で補正しているという。
3つ目の特徴がフル自動化。アリアではモーター、バッテリー、リヤアクスルが3枚の“子亀”パレットに載っていて、同時に搭載している。これによって作業者による重量部品の組み付け作業をすべて排除していて、作業者の負担はゼロに。なお、アリアはこうした足まわりの部品を54本のボルトで締め付けているが、ボルトの供給も含めて、すべて自動で行われている。
■8極式巻線界磁モーターの巻線自動化 <①次世代のクルマへの対応>
現在、販売しているリーフやe-POWER車には、モーターに永久磁石を使ったローター(中で回転する部分)を採用している。この永久磁石にはレアアースを採用しており、材料調達のリスクが発生していた。そこで、新型アリアでは、銅線を使用した巻線コイルによる8極式巻線界磁ローターを採用(車載用で量産世界初)。静粛性や高速走行性能を向上させるとともに、レアアースレスを実現した。
巻線コイルは1つのローターに対して8個(極)存在しており、直径1.2㎜の銅線を118周/個、8個合計で944周(1台あたり350mの銅線を使用)を巻き上げている。生産設備では8ローター同時に自動で巻き上げており、約20分かけて高速・高精度で美しい層状に仕上げられている。
■インテリジェント作業支援システム <①次世代のクルマへの対応>
モーターの組立ラインには10のデジタル技術を導入しているが、その中でも特徴的な取り組みが、MR(Mixed Reality=複合現実)を導入した作業支援ツールである。MRは現実世界にデジタルコンテンツを合成した拡張現実(AR=Augmented Reality)と仮想世界(VR=Virtual Reality)を組み合わせたもので、MRゴーグルを装着してその世界を具現化する。ゴーグル型のデバイスが空間を認識したうえで、デジタルのコンテンツ(3D)を現実の空間に存在するかのように表現できる。
このMR技術を作業指導に活用した点がポイント。これまでは工場の作業者は標準作業書と呼ばれる作業マニュアルやビデオを見て、作業の手順を覚えた後に、実際のラインで作業訓練を行っていが、MRゴーグルを装着することで、現場で作業ガイドを見ながら作業訓練が自習できるようになったのだ。作業ガイドは作業個所を3D表示で指示したり、写真やわかりやすい文章を使って作業内容や注意点を表示するので、習熟期間は約半分に、監督者による指導工数は9割削減できるという。
