SNSで人気のファッションイラストレーター・珍田さんと、ライターの野田春香さんがタッグを組んだ「アラフォー女子『#妄想着回し絵日記』。「こんなとき、どんな服を着ていけばいいかわからない」の、あるあるなお悩みに合わせたアイテムやコーディネートを、30〜40代の今を生きる3人の個性豊かな女性の日常ストーリーとともに紹介していきます。

【今回の主人公は、コンサバスタイルの”マユミ”】

42歳のマユミ。保険会社の営業で、バツイチ独身のひとり暮らし。168cm、57kg。大阪出身。はっきりものを言う性格で気が強く、クールで周りに頼られがちだけど中身は乙女。年下の彼氏がいる。仕事柄、平日はオフィスカジュアルスタイルでモノトーンばかり。休日もそれをベースにしたコンサバな服が多い。

アラフォー女子におすすめ。黒ダウンジャケットの着こなし術

第2回は「黒のダウンジャケット」の活用術。寒さの味方といえばダウンジャケットですが、カジュアルすぎたり生活感が出てしまったりしがちですよね。そこで、ダウンの”すてき”を叶えるコーディネートを考えました。

●通勤編:白×ライトグレーのライトトーン服でコントラストをつける

【12/29 水曜日 AM7:30。仕事納めの日】

マユミ:2021年の最終出社日。いつもの通勤ラッシュ時より人の量が半分以下に減ったオフィス街。「今の時代、こんな年の瀬まで仕事してる人少ないんだしリモートワークでいいじゃん」と思うのは私だけなんだろうか。

仕事がしんどいとか働きたくないとか口では言うけれど、割と出社を選ぶ人が多い会社の状況を見ると、みんな“働いてる感じ”が好きなんだ、と思う。でも、家にいてもひとりだし、やることないし、正直私も会社に行けるほうがありがたい。

刺さるように冷たい風が吹き荒れるビル街。頼れるのはやっぱりダウンジャケット。黒ってメンズっぽく見えたりカジュアルになりすぎたりもするけれど、中に着る服の色を明るくすれば女性らしくなってくれる。それだけだと味気ないからアクセサリーや小物をプラス。最近気を抜くとすぐに「疲れ」が顔を出すから、華奢なネックレス、ピンヒールのパンプス、バッグにつけたスカーフで華やかさを加えて。この小さな飾りを散りばめるだけで、背筋がスッと伸びるような気がする。

●帰省編:カラーニット×タイトスカートで大人のかわいげを

【1/2 日曜日 PM3:00。親戚の集まり】

地元・大阪に帰省。普段交流があるわけでもないのに、正月となると当たり前に親戚が集まることになんの意味があるのかついつい考えてしまう。

独身に戻ってからはより一層この行事が息苦しく、居心地が悪い。「あんたまた黒ばっか着て。もうちょっとかわいい服着たらどうなん?」とママに言われるのは毎年のこと。その裏に隠された言葉はきっと、「みんな集まるんやからすてきな娘として振る舞ってほしい。母親としてのメンツもある」なのだろう。

言いたいことも分からなくはない。バツイチ独身42歳というステータスが田舎ではネガティブに働きがちなことくらいわかってる。せめて明るくて同世代より若く見えて「あの人は東京で人生を謳歌してる」と思われたい見栄もある。

寒さ対策に欠かせないダウンジャケットに生活感が漂わないよう、ビビッドなライトブルーのカラーニットを味方に。ビビッドな色なら私らしいし、ママの機嫌も取れる。さらに垢抜けさせるため下はタイトスカート。仕事の日にも着ている白のウールのタイトスカートは休日にも合うし、年下彼氏にも「いい女っぽい」と好評のアイテム。暗い色の服が増える冬、明るい色を着ているとそれだけでオシャレっぽく見えるんだから助かる。

地元に住むいとこに「マユミちゃん見た目若いなぁ。東京の女はちゃうわ」と本心か皮肉かわからないことを言われた。仕事で身につけた営業スマイルを存分に振りまきながら(あ〜早く自宅に帰ってダラダラしたい…)としか考えていなかったことは、きっと誰にもバレていないはず…!

●今回のキーアイテム:黒のダウンジャケット

どんな服にも合わせやすく垢抜けて見えるのはやっぱりショート丈。カジュアル流行りの今、トレンド感を出せるのもこの丈です。マユミのようなコンサバスタイルにも合うし、デニムを使ったカジュアルスタイルにもフィットしますよ。