女子床運動で金メダルを獲得した村上茉愛【写真:アフロスポーツ】

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世界体操最終日

 体操の世界選手権は24日、福岡・北九州市立総合体育館で最終日の種目別決勝が行われ、25歳の村上茉愛(日体ク)が女子床運動14.066点で金メダルを獲得し、涙を流した。東京五輪で銅メダルを獲得した得意種目。満身創痍の体で引退を示唆しながら今大会を迎え、この日の平均台決勝は銅メダルだった。

 村上がホームの拍手を受けながら舞った。H難度の大技「シリバス」にも成功。拍手のボリュームは次第に大きくなっていき、目立ったミスもなく演じきった。着地を決めると大歓声。日の丸が揺れる客席を見つめると、涙が溢れ出した。

 得点は13.966点。暫定トップだった個人総合女王の21歳アンゲリナ・メルニコワ(RGF=ロシア連盟)に0.034点届かず、この時点で2位。インクワイアリー(問い合わせ)を行使した。問い合わせが受理され、14.066点でトップに浮上。笑顔を咲かせ、大きな拍手が注がれた。

 東京五輪を集大成の場としていたが「メダルを獲って見に来てもらえるチャンス。自分のためではなく、人のために演技をしたい」と今大会にも出場。18日の床運動予選は14.166点をマークし、五輪決勝と同じ銅メダルスコアで首位通過を決めていた。左足首の故障を抱え、今大会での引退を示唆しながら奮闘。「一回、一回がずっと全力。その一回を無駄にしないような最高の演技をしたい」と決勝を見据えていた。

 17年大会は床運動で日本女子63年ぶりの優勝を果たし、18年大会は日本初の個人総合銀メダル、床運動銅メダル。4年ぶり世界一の期待が高まっていた。(THE ANSWER編集部)