インドのラージャスターン州で、「試験でのカンニングを防ぐ」という名目のもと広範囲にインターネットが遮断されたことが判明しました。

REET: Mobile Internet Snapped In 16 Rajasthan Districts Ahead Of Teachers' Exam

https://www.ndtv.com/india-news/reet-no-internet-in-rajasthans-5-districts-tomorrow-to-stop-cheating-in-exam-2553839

Indian state cuts internet to prevent cheating in exam • The Register

https://www.theregister.com/2021/09/27/rajasthan_internet_block_for_reet_exam/

インターネットの遮断が行われた目的は、ラージャスターン州教員資格試験(REET)でのカンニングを防ぐこと。報道によるとREETは2021年9月26日(日)に行われ、160万人が受験したとのこと。REETが実施されるのは2年ぶりであり、150万人以上が受験すると予測されていたことから、カンニング防止策としてインターネットの遮断が事前に計画されました。

Times of Indiaが9月25日(土)に報じた内容によると、ラージャスターン州政府は州内の5つの地区において2021年9月26日の6時から18時までインターネットサービスを停止すると発表。これによりメッセージアプリ、ソーシャルメディアの使用がブロックされましたが、音声通話や有線接続のインターネットは可能だったとのこと。テクノロジー系ニュースサイトのThe Registerは、インターネット遮断の影響を受けた人が850万人ほど存在したとみています。



ジャーナリストのSamyak Jain氏は、インターネットが遮断された地域に入った時に実際に受け取った「一時的にインターネットサービスが遮断されています」という通知を公開し、「インターネットを遮断しなければカンニングを防げないという状況は明らかに管理に失敗しているという兆候です」と指摘。またSoftware Freedom Law Centerは州に対し、「インターネットの遮断は教育・公衆衛生・福祉制度などに影響し、経済的損失の原因となります」「パンデミックの時期にインターネットを遮断すれば、インターネットに頼って勉強や仕事をしている市民を無力化させます」と抗議しました。



一方で、「ラージャスターン州で国家試験や州試験があるときにはよくあること。みんな知っているし、慣れています。インターネットが遮断される前日にはメッセージを受け取っていますよ」とコメントする人もいました。



なお、試験のカンニング防止のほか、インドではカシミール州などを中心に「治安目的のため」に1年以上にわたるインターネットの利用制限が行われており、今後も政治的・宗教的理由でのインターネットの通信制限が行われていくとみられています。