なんだか最近顔色が悪い…と感じることはありませんか? それ以外にも疲れやすかったり、息ぎれがしたり、頭痛や不眠、イライラ、肩こりなどの体調不良がある場合、それは「隠れ貧血」かもしれません。フィーカレディースクリニック院長の佐野麻利子先生に対処法を教えてもらいました。


それってもしかして「隠れ貧血」かも?(※写真はイメージです)

顔色が悪いのは隠れ貧血かも?改善する方法



顔色の悪さに悩む読者の質問と、先生からの回答をご紹介します。

●顔色悪いね、といつも指摘されます



いつも「顔色が悪いね」と心配されて、気になっています。「貧血じゃないの?」と言われますが、検診では指摘されませんでした。毎日の生活で、なにに気をつけたら顔色がよくなりますか?(39歳女性)



もしかしたら「隠れ貧血」かも。貧血が改善すれば、顔色もよくなっていきます。

顔色の悪さのほかに、疲れやすかったり、息ぎれがしたり、頭痛や不眠、イライラ、肩こりなどの体調不良はありませんか? もし複数当てはまるようなら、あなたは「隠れ貧血」かもしれません。

体内には、鉄を蓄積する働きをするタンパク質「フェリチン」があり、不足すると貧血状態になります。ところが一般的な血液検査では、ヘモグロビンという別のタンパク質の値しか調べないため、こちらが正常だと貧血とは指摘されません。そのため、じつは貧血状態で体調が悪いのに、それに気づかない人もいることから「隠れ貧血」と呼ばれています。思い当たる人は一度フェリチンの値を調べてみるといいですね。

隠れ貧血も、普通の貧血同様、血液中の鉄が不足しています。ですから、顔色の悪さや体調不良を改善するには、まず毎日の食生活の見直しから始めてみて。鉄分を多く含む赤身の肉(牛、鶏、豚どれでもOK)や緑黄食野菜(ホウレンソウやコマツナなど)を積極的にとりましょう。なおタンパク質とビタミンCを一緒にとると鉄の吸収を促す効果が。逆にカフェインのとりすぎは鉄の吸収を妨げるので、ほどほどにしてください。

毎日の食事で十分な鉄分をとるのが難しい場合には、サプリメントを併用しても。それでも改善しない場合は、病院へ行き、診察を受けることをおすすめします。

女性は毎月生理があるので、効果はすぐには表れないかもしれません。でも続けるうちに顔色も体調も徐々によくなりますよ。

<イラスト/野田節美 構成/森田侑季慧>

●教えてくれた人
【佐野麻利子先生】



産婦人科医。フィーカレディースクリニック院長。帝京大学医学部卒業後、順天堂大学医学部付属順天堂医院産婦人科医局に入局。その後、賛育会病院、高崎ARTクリニック、産科婦人科舘出張佐藤病院等を経て、2018年にフィーカレディースクリニック開業。