沢口靖子さん、『科捜研の女』を22年演じて。「マリコは片づけが苦手だけど…」
デビュー以来、変わらぬ美貌と確かな演技力で活躍し続けている女優の沢口靖子さん。彼女のライフワークともいえるのが科学ミステリードラマ『科捜研の女』。20年以上にわたって愛され続けるこの物語が、今年の秋、ついに映画になります。主人公で科学捜査研究所の法医研究員・榊 マリコを演じ続けて感じていること、そしてプライベートでの暮らしについてもうかがいました。
『科捜研の女‐劇場版‐』沢口靖子さんインタビュー
――テレビシリーズのSeason1の放送は、なんと1999年。現行のテレビドラマの中では最長記録を誇る人気作ですが、意外にも映画化は今回が初めて。ヒロイン・マリコを演じる沢口さんはこんな感想を抱いたそう。
「まさか映画化されると思っていませんでしたので、夢のようなお話だなとうれしくて…。劇場に足を運んでいただくお客様のためにも、テレビシリーズとは一味違う作品にしていきたいと思いました」
©2021『科捜研の女‐劇場版‐』製作委員会
――基本は一話完結で、京都の科学捜査研究所に勤める法医研究員・マリコが難事件を解き明かすのが『科捜研の女』の主な筋立て。今回の劇場版では、ドラマシリーズでおなじみのキャスト、懐かしいキャストも登場しつつ、世界で同時に多発した科学者の不審死に、マリコが迫っていきます。脚本は、ドラマシリーズのメインライターの一人である、櫻井武晴さんが担当。
「櫻井さんの作品への愛がつまっていて、マリコを演じる身としては、ぜひその思いにもおこたえしなければ! と感じました。そしてマリコと、彼女の父親が協力しながら捜査を進める描写では、親子である前に科学者同士という、2人の特別な関係に切なくなりました。
具体的なお話はぜひスクリーンで確認していただきたいのですが、私としてはマリコが真実をあきらかにするために、父親を始め、研究所の仲間や捜査一課の土門刑事など、周りの人たちを巻き込んでいく姿にクスっと笑ってしまいました」
――マリコは優秀な頭脳を持ちながら、真実の解明のためならばなりふり構わず“暴走”し、プライベートでは家事がやや苦手という、人間味溢れる部分も魅力的なキャラクターです。20年以上も彼女を演じ続けている沢口さん。似ているところはあるのでしょうか?
「物事の考え方が理系で、正確さ規則正しさを重視するところが似ています。最初に役のお話をいただいたとき、犯罪現場に残された微細な証拠から事件を解き明かしたり、犯人の心理まで見抜くところがとても新鮮でおもしろいと感じました」
――「私より、マリコの方が思考回路が早いと思いますよ」と、チャーミングな笑顔で教えてくださった沢口さん。
「私は決断して動くまで時間がかかる慎重派です。マリコの思考回路は早くて2つ3つ先まで考えている、そんなタイプの人です。
ただ、部屋の片づけは、私の方が得意かもしれません(笑)。昔から部屋はすっきりしているのが好きで、散らかるとストレスが溜まるんです。マリコはその点、あまり気にしないみたいですから(笑)。シリーズが始まった当初、マリコは科学一辺倒でしたが、回を重ねるごとに人として女性として成長してきました。そんな変化を感じるセリフを発見したとき演じ続けている醍醐味を感じます」
――ふとした瞬間に、プライベートで「マリコっぽさ」を発揮してしまったこともあるのだとか。
「お友達のおうちで、彼女がインテリアコーディネーターさんにすすめられた家具を見せてもらったんです。そのときにふと、『コーディネーターさんはこういうお考えがあって、だからあなたにこの家具をすすめてくださったんじゃない?』と言ったら、『サワ、本当に榊マリコみたい!!』と、驚かれちゃったことがありましたね。長年演じ続けるうちに、マリコの分析家の部分が、私の性格に重なってきたかもしれないです(笑)」
『科捜研の女‐劇場版‐』
1999年の放送開始から20年以上にわたり、世代を問わず愛され続けている人気ドラマ「科捜研の女」シリーズが、集大成として待望の映画化。9月3日より全国公開
<撮影/福本邦洋 スタイリング/竹上奈実 ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris) 取材・文/石井絵里>
1984年『刑事物語 潮騒の詩』でデビュー。1985年NHK連続テレビ小説『澪つくし』で全国的に人気を博し、以降、ドラマ・映画・舞台に多数活躍。代表作に『科捜研の女』『鉄道捜査官』『警視庁機動捜査隊216』『検事 霞 夕子』などがある
『科捜研の女‐劇場版‐』沢口靖子さんインタビュー
『科捜研の女‐劇場版‐』沢口靖子さんインタビュー
――テレビシリーズのSeason1の放送は、なんと1999年。現行のテレビドラマの中では最長記録を誇る人気作ですが、意外にも映画化は今回が初めて。ヒロイン・マリコを演じる沢口さんはこんな感想を抱いたそう。
「まさか映画化されると思っていませんでしたので、夢のようなお話だなとうれしくて…。劇場に足を運んでいただくお客様のためにも、テレビシリーズとは一味違う作品にしていきたいと思いました」
●ドラマシリーズでおなじみのキャスト、懐かしいキャストも登場
©2021『科捜研の女‐劇場版‐』製作委員会
――基本は一話完結で、京都の科学捜査研究所に勤める法医研究員・マリコが難事件を解き明かすのが『科捜研の女』の主な筋立て。今回の劇場版では、ドラマシリーズでおなじみのキャスト、懐かしいキャストも登場しつつ、世界で同時に多発した科学者の不審死に、マリコが迫っていきます。脚本は、ドラマシリーズのメインライターの一人である、櫻井武晴さんが担当。
「櫻井さんの作品への愛がつまっていて、マリコを演じる身としては、ぜひその思いにもおこたえしなければ! と感じました。そしてマリコと、彼女の父親が協力しながら捜査を進める描写では、親子である前に科学者同士という、2人の特別な関係に切なくなりました。
具体的なお話はぜひスクリーンで確認していただきたいのですが、私としてはマリコが真実をあきらかにするために、父親を始め、研究所の仲間や捜査一課の土門刑事など、周りの人たちを巻き込んでいく姿にクスっと笑ってしまいました」
――マリコは優秀な頭脳を持ちながら、真実の解明のためならばなりふり構わず“暴走”し、プライベートでは家事がやや苦手という、人間味溢れる部分も魅力的なキャラクターです。20年以上も彼女を演じ続けている沢口さん。似ているところはあるのでしょうか?
「物事の考え方が理系で、正確さ規則正しさを重視するところが似ています。最初に役のお話をいただいたとき、犯罪現場に残された微細な証拠から事件を解き明かしたり、犯人の心理まで見抜くところがとても新鮮でおもしろいと感じました」
●部屋の片づけは、私の方が得意かもしれません(笑)
――「私より、マリコの方が思考回路が早いと思いますよ」と、チャーミングな笑顔で教えてくださった沢口さん。
「私は決断して動くまで時間がかかる慎重派です。マリコの思考回路は早くて2つ3つ先まで考えている、そんなタイプの人です。
ただ、部屋の片づけは、私の方が得意かもしれません(笑)。昔から部屋はすっきりしているのが好きで、散らかるとストレスが溜まるんです。マリコはその点、あまり気にしないみたいですから(笑)。シリーズが始まった当初、マリコは科学一辺倒でしたが、回を重ねるごとに人として女性として成長してきました。そんな変化を感じるセリフを発見したとき演じ続けている醍醐味を感じます」
――ふとした瞬間に、プライベートで「マリコっぽさ」を発揮してしまったこともあるのだとか。
「お友達のおうちで、彼女がインテリアコーディネーターさんにすすめられた家具を見せてもらったんです。そのときにふと、『コーディネーターさんはこういうお考えがあって、だからあなたにこの家具をすすめてくださったんじゃない?』と言ったら、『サワ、本当に榊マリコみたい!!』と、驚かれちゃったことがありましたね。長年演じ続けるうちに、マリコの分析家の部分が、私の性格に重なってきたかもしれないです(笑)」
『科捜研の女‐劇場版‐』
1999年の放送開始から20年以上にわたり、世代を問わず愛され続けている人気ドラマ「科捜研の女」シリーズが、集大成として待望の映画化。9月3日より全国公開
<撮影/福本邦洋 スタイリング/竹上奈実 ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris) 取材・文/石井絵里>
【沢口靖子さん】
1984年『刑事物語 潮騒の詩』でデビュー。1985年NHK連続テレビ小説『澪つくし』で全国的に人気を博し、以降、ドラマ・映画・舞台に多数活躍。代表作に『科捜研の女』『鉄道捜査官』『警視庁機動捜査隊216』『検事 霞 夕子』などがある