ブラックマジック、オンライン新製品説明会開催。Studio Camera 4KシリーズやHyperDeck Studioシリーズ、Web Presenter 4Kを詳しく解説[Report NOW!]
![BlackmagicDesignオンライン新製品発表会説明写真](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/c/b/cb980_830_52dc6fe70acdbce38cfa4072ec82cf07-m.png)
Blackmagic Designは、2021年7月30日に発表した新製品(HyperDeckシリーズ、Studio Camera 4Kシリーズ、Web Presenter 4K)をウェビナー形式で紹介するBlackmagic Design新製品説明会を行った。今回の新製品はSDI搭載の業務寄りだが、それでも約100名の参加者が集まっていた。テクニカルサポート部の岡野太郎氏の解説によるイベントの様子をお届けする。
ライブ撮影に特化したBlackmagic Studio Camera 4Kシリーズがリニューアル
Studio CameraとPocket Cinema Cameraの違いとは?
Blackmagic Studio Cameraはその名前の通り、ライブスタジオで使用するためのカメラであり、シネマカメラやビデオカメラ、スチルカメラとスタジオカメラは少しジャンルが異なる。スタジオカメラは、ある程度常設のスタジオで使い、屋外で使うカメラでない。また、カラーグレーディングをして制作するカメラでもなく、ライブを視聴者にお届けするために使うカメラとしている。
Pocket Cinema Cameraでもライブ配信が可能だが、Pocket Cinema Cameraはあくまでも映画やCM作品などを撮影するためのカメラであり、スチルカメラの機能も切り離してスタジオで使うために特化したものと紹介した。
Pocket Cinema CameraとStudio Cameraの違いを紹介。Studio Cameraの特徴は大型ビューファインダーと語った。Pocket Cinema Cameraの背面に大型LCDモニターを搭載しているが、それよりも大きな7インチの大きなビューファインダーを搭載して見やすくなっている。
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もうひとつの特徴はタリーの搭載。これはスタジオカメラ的な機能で、赤のはオンエア中、緑はプレビュー中など、色でカメラの状態がわかるようになっている。Pocket Cinema Cameraにも小型のタリーを搭載しているが、Studio Cameraは大きなランプと番号でひと目でわかるようになっている。マルチカムで撮影する場合、カメラが何カメまであるのかをわかりやすくするのも重要で、Studio Cameraにはカメラ番号を本体に設定可能になっている。
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ヘッドセットは、Pocket Cinema Cameraにはない機能だと語る。接続はケーブル一本で可能で、スイッチャー側に同じようなヘッドセットを付けて通信可能。ライブのカメラマンの多くはヘッドセットをしてディレクターの指示を受けて撮影を行うため、ヘッドセットのありなしでライブプロダクションのクオリティが大きく変わるという。
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ヘッドセットは、4K Proの場合カメラ側面に標準的な5ピンXLR端子を搭載。ここにマイクとヘッドホン両方の接続を一本で可能。スイッチャー側にも同じヘッドセットを付けて通信する。ATEM Miniはトークバックに未対応で、その上のクラスのATEMが必要。例えばATEM Television Studio HDは税込125,180円だが、トークバックの機能に対応するとしている。
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もう一つの特徴は、スイッチャーで使っている映像をカメラで確認できるプログラムリターン。こちらもスタジオカメラならではの機能で、Pocket Cinema Cameraには未搭載。左側のPGMボタンを押すと押している間、リターンを表示し、PGMボタンを2回押すと常時表示。これもすべてSDIで伝送される。
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Studio Cameraの画質はPocket Cinema Camera 4Kと同等。特に画質的には低照度が優れており、最大+36dB(25,600 ISO)までのゲインをサポート。本国の発表会では、CEOのグラント・ペティー氏がキャンドルを立てて暗闇を撮っていたが、低照度の下でも綺麗な撮影が可能だと紹介した。
4K Proと4K Plusの違い
Studio Cameraには、4K Proと4K Plusの2モデルをラインナップ。両機種とも画質やトークバック、タリー機能は同じだが、搭載端子が異なる。
4K Proは、SDIのビデオ入力とビデオ出力を搭載し、上位のスイッチャーとも接続可能。XLRのアナログオーディオ入力やトークバックヘッドセット用の端子、電源も二重化可能で4ピンの放送用電源と12V DCに対応している。
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それに対して4K Plusは、価格を廉価にするために端子が減っており、SDIを廃止してHDMIのビデオ出力を搭載。ATEM Miniとの組み合わせを想定した作りで、SDIが不要な方に最適だとしている。
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ユニークな機能として、4K Plusは廉価版でありながら4K60P出力に対応している。Pocket Cinema Camera 4KやPocket Cinema Camera 6K、6K ProはすべてHDMIは1080/60Pまでで、HDや4Kの出力には未対応だった。4Kシリーズは、4K60Pの信号をレコーダーに入れたり、もしくはSDI変換して入力するとことが可能だという。
価格は4K Proが約20万円、4K Plusが約15万円。価格差はないため、4K Proがオススメというのが岡野氏の見解だ。4K Plusだけの機能はないため、4K Proを購入しておけば今あるStudio Camera 4Kシリーズの全機能が使用可能とのことだ。
レンズマウントはマイクロフォーサーズに対応
レンズマウントは、マイクロフォーサーズを採用。マイクロフォーサーズは手頃な価格で購入可能で4Kでもシャープに撮れ、値段とクオリティを考えると大変いい選択としている。マイクロフォーサーズ対応であれば、どのメーカーのレンズにも対応するという。
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また、マイクロフォーサーズのサーボズームに対応。サーボズームの対応レンズを使うことにより遠隔でズームのコントロールが可能。例えば、遠隔からATEMソフトウェアを通じてズーミングが行える。サーボズームでコントロールできるアクティブ方式のMFTレンズに関しては、Blackmagic Designのサポートページを参照してほしい。
10月にズームデマンドとフォーカスデマンドを発売
2021年10月発売予定のズームデマンドとフォーカスデマンドの説明もあった。フォーカスとズームのコントロールが可能で、本体とはUSBの端子で制御する。さらに、特製USBケーブルのネジによる固定が可能だ。
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対応コーデックはBlackmagic RAW、撮影解像度はUltra HDのみ
メニューを見てみると、対応コーデックはBlackmagic RAWのみ。Blackmagic RAW固定ビットレートやBlackmagic RAW固定クオリティが選べる。撮影解像度は3840×2160(Ultra HD)のみだ。
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その他のメニューは、Pocket Cinema Cameraと大きく異ることはないという。Blackmagic OSソフトウェアを搭載しており、上にタブ、下に選択肢のお馴染みのインターフェイスを採用。「収録」→「ダイナミックレンジ」には「Video」「Extended Video」「Film」の3種類を搭載。
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「モニター」は、「LCD」と「HDMI」「SDI」、すべて個別に変えられる。「オーディオ」に関しても調整項目が充実している。
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すべてのモデルにタイムコード入出力を搭載したHyperDeck新ファミリー登場
HyperDeck Studioのプロダクトファミリーがすべて入れ替え
次にHyperDeckの新製品を紹介。HyperDeckはSDカードやSSDのメディアにProResで収録、再生可能なレコーダー。ボックスタイプの製品だが、今回一新されたという。
実はBlackmagic Designとして今回は珍しく、2つのプロダクトファミリーがすべての入れ替えを行った。ひとつはさきほど紹介したライブプロダクションカメラのStudio Camera 4Kシリーズで、もうひとつは今から紹介するHyperDeck。特にHyperDeckは4つ種類の製品があったが、その4つがすべて新しいHyperDeckにリニューアルし、ディスクレコーダーの大入れ替えが行われたという。
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1/3Uラック幅のコンパクトなデザインが特徴のHyperDeck Studio HD Mini
初期の最も小型モデルはHyperDeck Studio HD Mini。面白いのは、前のモデルと比べたときにまったく同じで、外観を見ただけでは区別がつかない。
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端子は変わっており、SDIのビデオ入力とビデオ出力、リファレンス接続の入力と出力があるのは同じだが、新モデルではこれまでPro版にしかったタイムコード接続の入力と出力を搭載。HyperDeck新ファミリーは、すべてのクラスに搭載されたタイムコードのイン・アウトが特徴だとしている。
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例えばタイムコードは、Blackmagic Designのカメラ以外でのマルチカム収録で有効だという。ソニー、パナソニックの業務用カメラや、GH5やソニーαなどの一眼レフミラーレスカメラなどでマルチカムで収録をする際に、HyperDeckで撮るとProRes収録により画質はきれいに収録でき、さらにHyperDeckを使うと完璧に同期のとれた形で収録可能。例えば2カメ、4カメで同期して撮影可能だという。
HyperDeck Studio HD Miniには、背面にRS-422リモート出力9ピンを搭載しており、HyperDeck Studio HD Plusへリレーできる。HyperDeck Studio HD Plus以上はリモートコントロールを2つ搭載し、RS-422入力とRS-422出力を搭載しており、1台をマスターにして制御信号を送信可能。これは従来のHyperDeckにはできなかったことで、今回の新製品では完全に同期が可能と紹介した。
さらにタイムコードジェネレーターを新製品には内蔵しており、HyperDeckのマスターの方からタイムコードを出してタイムコード入力を接続。
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すると、別々の信号が来てたとしても。完全に連動して、同じタイムコードを載せた別アングルを作ることが可能になるという。
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USB端子の搭載も大きな特徴で、以前のHyperDeckにもUSBの端子を搭載していたが、アップデートのものだった。新モデルでは背面パネルに「EXT DISK」と書いており、外部ディスクを接続可能でSSDなどをつないで収録可能としている。本体正面にあるSDカードのほか、後のEXT DISKのどもどちらでも収録が可能。さらにEXT DISKはWebカムにも対応。ZOOMやTeams、Webexなどでのライブ会議にも実は使用できるようになっているという。
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Miniモデルの全機能に加えてフロントパネルヘッドフォンやスピーカーなどを搭載したHyperDeck Studio HD Plus
HyperDeck Studio HD Plusはサイズは少し大きくなり、トランスポートコントロールを搭載。従来のデッキ製品と同じ形で使うことが可能と紹介。スピーカーやヘッドホン端子も搭載しており、音声の確認を可能にしている。
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背面にはHDMIのビデオ入力があり、HDMIでもSDIでもどちらのビデオ入力でも使用可能。あとは、タイムコード接続の入力と出力、リファレンスの入力、リモートコントロールのRS-422入力と出力を搭載。あとはAC電源とDC電源の電源二重化も対応。片方に何か電源のトラブルがあった時に入れ替わるという。
Plusモデルの全機能に加え、SSDスロットおよびSDカードスロットを2つ搭載したHyperDeck Studio HD Pro
1UタイプのHyperDeck Studio HD ProはSSDだけでなくSDカードスロットにも対応。背面のUSB-Cにメディアを接続することで外部ディスクも使用できる。従来はSSDのみだったが収録媒体が増えているという。
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端子は下位モデルと変わらないが、タイムコード接続がXLR端子になっている。また、HDMIとSDIのビデオ入力、ビデオ出力を搭載。正面にはヘッドフォンジャックとスピーカーが付いている。
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こだわりポイントとしては、サーチダイヤルを搭載。DaVinci Resolveのエディターキーボードと同じ感じで、中は複雑な構造になっているという。ジョグのモードとシャトルのモードで2つまったく違う挙動をするジョグシャトルで直感的にコントロールできるとしている。
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Ultra HD対応モデルのHyperDeck STUDIO 4K Pro
最上位機種は、HyperDeck STUDIO 4K Pro。HyperDeck Studio HD Proととまったく同じルックで、背面も大きく変わらない。
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違いは、電源三重化で、DC、AC2つのどれに挿しても動作可能としている。
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さらに、岡野氏がHyperDeck関係の朗報としてアップデートを紹介。これまでHyperDeckで素材を用意するときは、ProResで用意するのが一般的だった。Premiere ProやDaVinci Resolveで書き出したH.264は、HyperDeckでは読めなかったためだ。しかし、今後のアップデートで、H.264やH.265で書き出したものをHyperDeckで再生対応予定とのこと。HyperDeckはより再生機として使い勝手が向上しそうだ。
4K対応のWeb Presenter 4K登場
最後はWeb Presenterの新製品を紹介。Blackmagic DesignはこれまでHD対応のWeb Presenter HDを発売していたが、今回は4Kに対応。サイズの変更はなく、HDモデルと並べてもまったく同じ。背面は電源、DC、Ethernetがあるのも同じ。違いは左上にUltra HDと文字が入ったことと、内部的なエンコーダー機能で、それが4K対応したものだという。
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Web Presenter自体はそんなに派手な製品ではないが、優れた製品だという。例えば、従来4Kのライブを行うためには、スペックの高いマシンを購入し、OBSを入れて何度もテストを行い、間違いがないかの確認したうえでようやく配信可能となる、大変手間のかかる作業を必要としていた。
しかし、Web Presenterはエンコーダーを内蔵し、本体だけですべての作業を行うことが可能。単純にWeb Presenter 4Kを置いて、そこにEthernet差して映像信号を入れるだけで、4K60Pのライブ配信が可能なのだ。
最後に岡野氏は、今回の発表の目玉はStudio Cameraだが、新Studio Camera 4KとWeb Presenter 4K、あとは4Kのスイッチャーがあれば、誰でも4K60Pの配信が可能な時代がもうそこまで来ていると語った。そういう意味では、以外と地味な存在だがWeb Presenter 4Kの登場も大きいと紹介して締めくくった。