レイ、内覧会でバーチャルプロダクションの撮影検証公開。プロジェクターやLEDディスプレイの展示も注目[Report NOW!]
![Ray Open TECH 2021説明写真](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/a/f/af5e9_830_75748718c75dd35866c8203dbf82036d-m.jpg)
株式会社レイのイベント事業本部は、新技術や最新機材を公開するイベント「Ray Open TECH 2021」を2021年7月26日〜7月30日に東京事業所/機材センターで開催した。
レイはご存じの通り、レンタル機材会社の中でも最先端の機材をいち早く保有し、大規模なライブやイベントを影でサポートする会社である。そんなレイはオープンハウスを不定期で開催しており、今回は約3年ぶりとなった。2021年4月12日に移転したばかりの新事務所内の様子や、展示内容の模様をお送りしよう。
バーチャルプロダクション撮影検証を展示
注目は、LEDスクリーン、カメラトラッキング、リアルタイムエンジンを使用したバーチャルプロダクションの簡易版の展示だ。
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レイのスタッフによると、CMやPVの撮影でLEDディスプレイを背景とする現場が増えているが、その一方でシネマカメラのPLマウントと連動していないと使いづらいという話が多く聞かれるようになったという。
そこで実験を兼ねて今回のバーチャルプロダクション撮影検証のお披露目に至ったという。カメラはARRI AMIRAで、背景のLEDはROE Visual製2.6mmピッチの「DM2.6」、幅は7m、高さ3m50cmを湾曲に設置。設置スペースの都合で両サイドに照明を仕込むことができないために、湾曲したLEDが照明も兼ねている。
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トラッカーは光学式カメラトラッキングシステム「RedSpy」でxRの制御はdisguise。どちらもバーチャルプロダクションでお馴染みのメジャーな製品ばかりだが、もともと別用途で購入した社内保有の機材から選んだとしている。
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レイのバーチャルプロダクションシステムは可搬型で、指定されたスタジオにレイがすべて持ち込んでLEDの設置から素材、カメラなどの周辺までをまとめた出張サービスを予定としている。
レイが過去にサポートしたLEDウォールを使った撮影では、必ず事前にレイのチェックスペースにほぼ同じ機材を組んで、カメラマンや照明部のチーフが照度やアングルをチェックして進められたという。今回のバーチャルプロダクションも常設サービスではないが、スペースに空きがあれば同じように事前テストは可能とのことだ。
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30000ルーメン&4Kの高輝度高精細プロジェクター
次にプロジェクターのコーナーを紹介しよう。レイはこれまでJR東京駅丸の内駅舎の「TOKYO HIKARI VISON」(17台使用)や、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの「海洋都市ヨコハマ「龍神バハムート、襲来」(約22台使用)など大規模プロジェクションマッピングイベントを支えてきた経験があるという。
まず驚いたのは倉庫の様子だ。1台約2000万円する30000ルーメンや20000ルーメンを誇るプロジェクターがケースに収められてずらりと並べられている。このエリアの機材の総額が気になるところだ。
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プロジェクターの実機展示では、BOXERのメンテナンスの様子を紹介。BOXERのランプの交換は通常、寿命は700から800時間とされているが、レイでは明るさを重視してその半分程度でクリスティのプロジェクターをメンテナンスできる資格を持った社内スタッフが交換するという。
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BOXERの側面にはツールボックスに3種類のドライバーセットが収納されており、この3種類のドライバーですべてバラバラにすることが可能。例えば、投影台に7段、8段仕込んだ状態でプロジェクターに故障が発生した場合に地上に一回下ろすのは現実的ではない。
BOXERのトラブルの場合は、エンジニアが登って投影台に乗った状態で対応可能。そのあたりのメンテナンス性は国産メーカーよりも優れているという。
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遠い距離から巨大なサイズで投影できるレーザースキャンプロジェクター「BeamSniper」
BeamSniperはとても個性的なプロジェクターだ。レーザーショーで使っているレーザーとビデオプロジェクターの間の子で、解像度は低いが遠い距離から大きいサイズの映像を投影可能なのを特徴としている。
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レイによると、今までの最高記録は1.2kmの距離から幅300mの投影をしたことがあるという。もし幅300メートルを30000ルーメンのプロジェクターで再現するなら、50〜60台用意して投影しなければならないし、それだけの台数の設置と調整には1週間程度の日数を必要とする。それが、Beam Sniperは設置して数時間で1面に投影するだけで実現できるという。
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コンサート演出をサポートするLEDディスプレイ
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LEDディスプレイコーナーでは、韓国のLDJと中国のROE VisualのLEDディスプレイの展示が行われていた。LDJは9mmピッチの「JC9」と6mmピッチの「JC6」で、一世代前の製品だが通常イベントの現場ではまだまだ現場で使われているという。
ROE Visualは、カーボンシリーズ(CB)と呼ばれる5mmピッチの「CB5」と8mmピッチの「CB8」を展示。最近ここ1〜2年の新製品で、特にCB8は東京ドームで派手な演出に使っても、枚数がまだ余るほどの数があるという。
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「Vanish V8S」は、後ろ側が6〜7割透けるタイプ。面白い使い方として、軽さを活かしてホールやライブハウスに最適なユニットとしている。
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レンタルはしていないが、会場では参考出品として1.5mmの展示も行われていた。
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特に現場で使われているのは、8mmピッチのCB8と9mmピッチのJC9とのこと。ドームやアリーナの大型LEDで5mmや6mmピッチを使えば確かにきれいだが、4Kを超える大型の解像度が必要となり、素材の用意が困難になるためだという。
最後に、レイはプロジェクターやLEDディスプレイの映像機器レンタルサービス会社という印象が強かったが、今回の内覧会ではデジタルチームのUnityやUnreal Engineを活用したデジタルコンテンツやリアルタイムにARを表示するオリジナルシステム「LARO」の展示は印象的だった。今後のレイは、機材レンタルだけでなくオリジナルソリューションやコンテンツサービスの面でも楽しみである。