Intelは2020年8月にグラフィックスアーキテクチャ「Xe」を発表し、2020年10月には「Xe」を搭載したモバイルPC向けディスクリートGPU「Iris Xe MAX」を発表していますが、新たにデスクトップ向けGPU「Iris Xe」と搭載グラフィックカード2種を発表しました。

Intel Releases Iris Xe Desktop Graphics Cards | Intel Newsroom

https://newsroom.intel.com/articles/intel-releases-iris-xe-desktop-graphics-cards/

Intel Iris Xe Video Cards Now Shipping To OEMs: DG1 Lands In Desktops

https://www.anandtech.com/show/16450/intel-iris-xe-video-cards-now-shipping-to-oems-dg1-lands-in-desktops

記事作成時点で判明している「Iris Xe」の性能はこんな感じ。モバイルPC向けに出荷されている「Iris Xe Max」とほとんど同じ性能ですが、「Iris Xe」の方が実行ユニット数が少ないことが分かります。「Iris Xe」の実行ユニット数が少ない理由についてAnandTechは、「『Iris Xe』には、『Iris Xe Max』に搭載できない選別漏れのチップが使われているのでしょう」と予測しています。

 Iris XeIris Xe MaxプラットフォームデスクトップPCモバイルPC製造プロセスIntel 10nm SuperFinIntel 10nm SuperFin実行ユニット数8096VRAM4 GB4 GBメモリインターフェイス128 bit128 bitメモリ帯域幅68 GB/s68 GB/s

「Iris Xe」は個人向けには販売されず、主にOEMメーカー向けに供給されるとのこと。記事作成時点では、2種のグラフィックボードの外観が公開されています。ASUSから登場する「Iris Xe」搭載グラフィックボードはファンレス仕様で、HDMI、DisplayPort、DVI-DLの3種の4K対応出力ポートが搭載されているとのこと。



また、大きなファンを2基搭載したいかにもデスクトップ向けといった見た目のグラフィックボードも公開されています。



Intelは、「『Iris Xe』は3基のディスプレイ出力を備え、AV1コーデックのハードウェアデコードに対応しており、ビデオ編集やビデオ通話の品質を向上させる」とアピールしています。

IT系ニュースサイトのThe Vergeは、「『Iris Xe』はゲーミング環境向けには設計されておらず、NVIDIAのGeforeceやAMDのRadeonといったグラフィックボードと競合する製品ではありません。しかし、Intelはハイエンドゲーミング市場に興味を示しており、今年後半には高性能なデスクトップ向けGPUを発表する可能性があります」と述べています。

Intelのアーキテクチャ・グラフィックス・ソフトウェア部門ヴァイスプレジデントであるリサ・ピアース氏は、2020年11月に行われたインタビューの中で、「IntelではVRへの投資が強く行われています。GPUの高性能化が進めば、2021年はVRがターゲットになるでしょう」と語っており、Intelが高性能なGPUを発表することへの期待が高まっています。

Intelの次世代GPU「Xeグラフィックス」についてIntelのグラフィックス部門責任者が語る - GIGAZINE