開店前から店の前には500人以上が列を作るドン・キホーテ台湾1号店

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(台北中央社)日本発のディスカウントストア「ドン・キホーテ」の台湾1号店が19日、台北市西門町にオープンした。24時間営業で、売り場は地上1階から3階までの3フロア。日本から直送した農水産物や生活用品などを取り扱う。午前10時の開店前から店の前には500人以上が列を作り、賑わいを見せた。

店名は「DON DON DONKI 西門店」。延べ床面積は1615平方メートル。化粧品や菓子、衣料品、雑貨、生鮮食品、惣菜などを販売する。運営会社の台湾パン・パシフィック・リテール・マネジメント(台湾泛亜零售管理顧問、台北市)によれば、同店で販売する化粧品は4割が独占販売商品で、価格は日本とほぼ同じ。菓子は今後3割を独占販売とし、その他3割を市場最安値で販売するとしている。

開業前日の18日、開幕記者会見が開かれ、台北市の黄珊珊副市長は同店の開業による地域活性化と就業機会の増加に期待を寄せた。台湾泛亜の竹内三善董事長(会長)は、1号店の出店場所に西門町を選んだ理由について、海外出店の戦略において最初は当該地域の中心街に出店し、認知度向上を図ることを方針としているからだと説明。今後の出店計画に関しては、台湾の消費者のニーズをまずは理解し、その後でどのように取り扱い商品を増やしていくかや今後の店舗拡大について検討していくと明かした。

シンクタンク、商業発展研究院経営模式創新研究所の李世珍副所長は、台湾1号店は新型コロナウイルスの影響で長期間出国できていない台湾人の海外旅行欲を満たすだけでなく、その真新しさも来店客を呼び込む要因になると指摘。短期的にはブームを巻き起こすことが可能だとの見方を示した。一方で、同社が台湾で長期的に経営していく上で、商品価格は一つの挑戦となると言及。日本で激安だったとしても、物価の違いが原因で台湾では高価格となる場合もあると述べた。また、台湾人が日本のドン・キホーテで大量買いをする理由の多くは海外旅行の記念品を買うためだとし、台湾での買い物は海外旅行気分がないため、購買意欲や衝動が減少するとの見解を示した。

19日午前の開店前、3歳の娘を連れて行列に加わっていた女性は、台湾で買えない商品を買いに来たと話した。毎年平均3回は訪日し、その度にドン・キホーテで化粧品を購入していたという。

(楊舒晴、梁珮綺/編集:名切千絵)