大阪万博の開催に合わせて、JR西日本に新大阪駅と桜島駅を直通列車で結ぶ計画があるようです。実現にあたって、気になる点もあります。

関空特急「はるか」などと同じルート?

 JR西日本が2025年の大阪万博にあたって、会場最寄り駅であるJRゆめ咲線(桜島線)の終点、桜島駅(大阪市此花区)へ、新大阪駅から直通列車を走らせる計画だと、2021年1月11日(月)に産経新聞が報じました。

 これにより、関西圏以外からの万博見学が便利になることなどが考えられますが、実現にあたって気になる点もあります。


JR西日本の新大阪駅(2019年3月、草町義和撮影)。

 現在、新大阪駅から桜島駅へ直行する場合、関空特急「はるか」などと同じルート(梅田貨物線)を通って大阪環状線の西九条駅(大阪市此花区)に抜け、そこからJRゆめ咲線に入ることが最短です。

 気になる点のひとつは、この西九条駅です。

 梅田貨物線方面から西九条駅へ進入しホームに停車する場合、大阪環状線外回りの線路を平面交差で越えねばならず、ダイヤ設定上の制約になります(運行頻度が高い大阪環状線外回り電車が来ない時間を見計らう必要がある)。

 ただこの点は、西九条駅に停車しないで直接JRゆめ咲線に入るならば、大阪環状線との平面交差は発生せず、課題は小さくなるでしょう。

気になる福島 なにわ筋

 気になる点のふたつ目は、途中の福島駅(大阪市福島区)付近です。

 この付近で梅田貨物線は単線になっており、特急「はるか」「くろしお」が行き交うなか、その単線区間のダイヤへ、新たに桜島駅発着の直通列車を入れなければなりません。とはいえ、特に難しい非現実的な話でもないので、どんなダイヤが生まれるか、楽しみなところです(福島駅付近でなにわ筋と交差する梅田貨物線の浄正橋踏切、その遮断時間などへの影響も気になるところですが)。


JR西日本の桜島駅(2018年12月、草町義和撮影)。

 なお梅田貨物線は、2023年春に地下化とルート変更が実現し、大阪駅にそのホームができる予定(いわゆる「うめきた新駅」)。桜島駅発着の直通列車も、そこへ停車するのでしょうか(大阪駅からは、すでに大阪環状線の桜島行き直通列車があるので、必要ないかもしれませんが)。