マイナンバーカードの大幅進化で財布が不要に…その根拠とは

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マイナンバーカードが大幅進化

 マイナンバーカードが大幅進化する。総務省は2022年を目途に、一部機能をスマートフォンに搭載すると発表した。それと同時に、来年3月からマイナンバーカードに健康保険証の機能が付与される予定だ。さらに2026年には、運転免許証のデータをマイナンバーカードに登録するという。

 これらがすべて実現すれば、保険証も免許証もスマホで管理できる時代が到来する。言い方を変えれば「財布は不要になる」ということだ。ポケットにスマホがあれば、買い物をしたりドライブに出かけたりする近未来がそこまで来ている。

◆間近に迫る「健康保険証との一体化」

 現時点で最も間近な「マイナンバーカードの進化」は、上述の通り健康保険証との一体化である。これは医療機関及び薬局で、マイナンバーカードを保険証として利用することができるというもの。

 その際に発生した医療費は、当然ながら履歴情報として残る。2021年度の確定申告から、医療費控除の手続きでこれらの情報が自動反映される。紙の領収書を1枚1枚確認して電卓で計算する作業は、もはや必要なくなる。

 とりあえず、読者の諸兄諸姉にはこの「保険証との一体化」はマイナンバーカード大幅進化の第一項目であることを認識していただきたい。その上で、さらに解説させていただこう。

◆スマホだけで電子証明書を表示できるように

 総務省は2022年度まで、スマホにマイナンバーカードの一部機能である電子証明書を搭載できるよう計画している。これが達成されると、何が起こるのか?

 今現在の時点でも、マイナンバーカードの電子証明書をスマホに表示することができる。ただしそれは物体としてのマイナンバーカードをスマホで読み取らなければならない。

「電子証明書のスマホ搭載」とは、マイナンバーカードを常備していなくても構わないということだ。まずはAndroid端末への機能搭載を目指すという。

 そして最後は、運転免許証の情報をマイナンバーカードのICチップに登録する計画である。これにより住所変更届の簡略化、免許証更新の迅速化、講習のオンライン化を目指す。以上の計画がすべて達成された瞬間、保険証も免許証もスマホに収めることができ、その極致として「物体の免許証を携帯せずに運転可能」という光景が完成する。

◆「電子化の先」の光景

 こうなると、もはや財布というもの自体が「旧時代の遺物」のような状態になってしまうのではないか。今ですら、財布はだんだんと小さくなっている。長財布に複数人の福澤諭吉を詰める人は少なくなり、代わりにクレジットカードサイズの小さな財布……というよりパスケースで済ませる人が多くなった。

 さて、ここからはあくまでも筆者の邪推である。2026年の日本の公道上で、ついうっかり一時停止を無視してパトカーに捕まってしまった。警官がやって来て、その場で切符を切られてしまう。減点と罰金を課せられた。だが、この時代は既に切符自体が電子化され、罰金もその場で電子決済できる……ということになるかもしれない。

 突飛な邪推だと突っ込まれてしまうだろうか?

 しかし罰金を払う時だけ現金を用意しなければならないというのは何とも不合理で、突き詰めればそのあたりも電子化しなければ「免許証一体型マイナンバーカード」の真価は発揮できないのではないか。「切符を切る」という言葉は残るだろうが、実際の行為はいずれデジタル移行されると見るべきだろう。

 マイナンバーカードにまつわる諸政策をきっかけに、日本では「GovTech」という単語が注目されるようになった。これは「行政上の手続きに関連するテクノロジー」を指すもので、マイナンバーカードはまさにGovTechの領域内。今後要注目の分野である。<文/澤田真一>【澤田真一】
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』