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9月27日放送の「林先生の初耳学」では、名門大学を卒業しながらも定職に就いていない“高学歴ニート”に特別講師が向き合う人気企画の“特別編”として、歌舞伎役者で俳優の市川猿之助が登場。自身の経験も交えながら、“コロナ禍の若者に伝えたい授業”を繰り広げた。猿之助が考える、コロナ禍の生き抜き方とは?

就職すべきか、夢を追うべきか...猿之助の答えは
今回の講義は、コロナ禍で就職が難しくなったり仕事がなくなるなど影響を受けている若者も参加して行われた。
歌舞伎の名家に生まれ、4歳で初お目見えした市川猿之助。現在は、歌舞伎の舞台はもとより先日最終回を迎えたばかりの大人気ドラマ「半沢直樹」にも出演するなど、幅広い活躍を見せる人気者だ。
航空業界の新卒採用中止決定を受け「夢だったキャビンアテンダントを諦めて就職するか、バイトしてでも夢を追うべきか」と悩む女子大生に対しては、「社会がどうとか、人からどうっていう考えは、やめたほうがいい」とキッパリ。
「周囲の批判が嫌だからって就職して、その人たちは何かしてくれますか? やりたいことをやる時、人の恩義とかそういうものを一切振り捨てて自分のやりたいことを決断しなきゃいけないことは人生1度や2度絶対にある」と訴えた。
猿之助自身、27歳の時に伯父である三代目猿之助の一座から独立。「恩知らず」と批判された。
それでも飛び出したのは、自分の力で思いっきり挑戦してみたかったから。猿之助は、「(三代目猿之助は)ものすごく大きな人だった。大きな人のもとにいると、自分が失敗しても全部かばってくれる。自分がいいことをやっても、全部この人の手柄になる。手ごたえがなかったから飛び出した」と当時の心境をメディア初告白した。
そんな挑戦ができるのも、若さの特権だと猿之助は言う。「20代だと、出ても何とかやっていける。他人の心はどうだっていいと思う、どう思われようとね。自分の信じることをやっていれば」と語りかけた。

猿之助が「深く考えることをやめた」理由
漫画「ONE-PIECE」やパフォーマンス集団「ブルーマン」とコラボするなど、古い決まりや格式に囚われず挑戦し続ける猿之助。
「新卒で大企業に入ったものの、自分のやりたいことができず仕事を辞めた」という高学歴ニートには、「自分がやりたいことをやるには、他人を黙らせる実力をつける。そうすればなんだってできる」としみじみ。
歌舞伎を例に、「どんなに『やっちゃダメ』って言われたことでもお客さんが入れば、利益が出れば会社はやらせてくれる。お客さんの支持を集めることが僕らの武器になる。結果がすべて」と自身の経験に照らして答えた。
コロナ禍であらゆる活動が制約を受けているが、舞台に上がれない状況が続いたことについては「何とも思わない」「そういうものだと思うから」と淡々としたもの。
見事な達観ぶりだが、猿之助自身は「多分(子供の頃は)すごく考えてたんだと思う。それが『無駄だな』と思って、(深く考えたり思い悩むことを)止めた」と自己分析する。
「だから『なんにも考えない』っていうのは、『よくよく考えた上で考えなくなる』っていうこと。歌舞伎の世界で言う『型破り』って、型をちゃんと学んでから破るということ。最初から、俺は型破りなことがやりたいから学ばねえぞっていうのは『形無し』で、そんなのはカッコよくもなんともない。『型破り』ができるようになるためには、最初に耐えること」と、自由の土台には基礎が必要であることを強調した。

林先生が見出した"活躍している人の共通点"とは?
社会の批判など気にするな、他人を黙らせる実力をつけろ。そうすれば"やりたいこと"ができるようになる――そう若者たちに呼びかけた猿之助。
最後は「考えることは大事だけど、先のこと考えたってわからない。今をとりあえず楽しむ。楽しくやってりゃなんとかなる。生きてれば何とかなるんです。体だけは大事に、それだけ」と、笑顔で講義を締めくくった。
スタジオで猿之助の講義を聞いた林先生は「活躍している人の共通点には『できないことは潔くあきらめる』(というものがある)。ああだこうだ考えても仕方ないんだったら、考えないというのも一つの能力ですよ。考えてもどうにもならないのに、そこに留まって考えることを続けてしまう人がいるのであれば、あのメッセージが届けばいいな」と、猿之助流"考えない生き方"に賛辞を送った。

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「市川猿之助がコロナ禍で若者たちに伝えたい授業」は公式YouTubeチャンネルで配信中
【公式YouTubeチャンネル】

「林先生の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
博学で知られる林先生でさえ知らなかった知識を"初耳学"に認定する。
https://www.mbs.jp/mimi/