時代の変化、ではなく差し迫った理由です。

駅の見慣れた光景、今は機械から「ビーーーー」

 列車が発車する直前に、車掌が発車を知らせるため笛を吹く、お馴染みの光景。ワンマン運転では運転士が行うこともありますが、最近、その光景が少し変わっています。


湯檜曽駅にて、E129系電車と車掌(2020年8月、乗りものニュース編集部撮影)。

 停車中の様子をよく見ると、車掌は小さな機器を手にしています。そして、吹き鳴らされる笛の代わりに、鳴り響く「ビーーーー」の音。

 JR東日本新潟支社に尋ねてみたところ、この音の正体はモルテン製の電子ホイッスルで、今年の5月中旬から使用開始したとのこと。コロナウイルスの感染対策の一貫で、従来の「呼び子笛」と違い、笛を吹く際のマスクの脱着や飛沫の発生がなくなるため、導入に至ったそうです。

 同仙台支社も同様で、3月末から車掌業務に携わる全乗務員を対象に導入を開始したとのこと。なお、機器は共用せず、個々に所有しています。

 前述の新潟支社によると、感染リスクを軽減させる取り組みとして現場からも理解を得ており、車掌は積極的にこの電子ホイッスルを使用しているとのことです。