auみなとみらいでスマホの新しい買い方! KDDIの店舗CX向上の秘策に迫る
●KDDIが「auみなとみらい」をリニューアルオープン
KDDIは8月20日、「デジタル活用による新たな店舗体験への取組み」についてのオンライン説明会を開催し、
8月26日にリニューアルオープンした直営店舗、「auみなとみらい」での新しいスマートフォン購入施策について発表しました。
KDDIは2015年度より、店舗におけるCX(Customer Experience=顧客体験)の向上を目的とした活動に注力しており、2017年4月から2020年3月までの3年間で、店舗のNPS(Net Promoter Score=顧客推奨度)が20ポイントUPしたとしています。
ユーザーとの数少ない接点である店舗のNPS向上は、通信キャリアにとって重要課題だ
しかし、未だに問題点も多く残されています。
その代表が「混雑と待ち時間」です。
キャリアショップや家電量販店でスマートフォンなどを購入する際、長い待ち時間にイライラしたことがある人も多いでしょう。
今回KDDIがauみなとみらい店で導入したのは、そういった端末購入や機種変更時の待ち時間を大幅に短縮し、空いた時間をより手厚い顧客サポートに利用しようという試みです。
混雑と待ち時間への不満は実に4割弱に達する。逆に言えば、ここを改善できればCXは大幅に向上する
●オンライン手続き専用サイトでスムーズに端末購入
auみなとみらいで導入されるのは、スマートフォンなどの端末購入や来店予約を一括で行えるスマートフォン向けサイト(auみなとみらいの公式サイト)との連動です。
これまでにもau STARによる来店予約システムなどはありましたが、今回導入されたサイトでは質問形式で端末や料金プランを選び、購入予約および購入手続きを行えます。
アプリ内で購入手続きを行った端末は、auみなとみらいの店頭にて受け取ることになります。
これにより、端末購入に必要な時間は最短で20分、時間効率は2分の1以下になるとしています。
好きな時間に自由に選べるため、待ち時間や店舗の混雑にイライラすることもない
オンライン上で購入手続きを済ませられるのなら、わざわざ店舗に行かずに宅配で良いのではないか?
そう思う人もいるかと思います。
しかし、ユーザーの多くは対面による説明や案内などのサポートを強く求めており、サポートセンターとしての店舗の需要は非常に高いのが実情です。
そのため今回の取り組みのように、スマートフォンの購入手続きという最も時間のかかる部分をオンライン上で先に行っておき、店舗では十分に余裕のある時間を使って丁寧にサポートを行う、という方法が提案されました。
店舗での購入手順も一部をセルフサービス化しつつ、分からない点があればスタッフが丁寧にサポートしてくれる
●コロナ禍で減少した端末購入者を取り戻せるか
auみなとみらいの取り組みは、通信キャリアによる今後の店舗運営の大きな試金石となる可能性があります。
前述の通り、オンラインショップで購入するのと同じ感覚で商品を選びつつも、従来通り店舗スタッフによる丁寧なサポートを受けたいという「わがままな要求」は、多くの人が求めている部分です。
その上、現在は新型コロナウイルス感染症問題(コロナ禍)によって、長時間の外出や人が密集する店舗へ長く滞在することへの忌避感も強くなっており、結果として店舗への来場者が減り、機種変更や端末購入の顧客が減少するという流れに繋がっています。
現にKDDIは2020年4〜6月期決算において、端末販売台数が前年同期比で45万台もの減少となる150万台であったことを発表しています。
実に25%近くも端末販売台数が減っており、コロナ禍とそれ以前からのスマートフォンの買い替えサイクルの長期化が、数字として現れ始めているのです。
通信業界もまたコロナ禍によって大打撃を被った
KDDIは今後、auみなとみらいで導入した専用サイトの実績を見ながら他店舗でも展開していきたいとしているほか、サイトの内容を拡充し、現在は機種変更のみで対応しているところを、新規契約などにも対応させたいとしています。
執筆:秋吉 健
KDDIは8月20日、「デジタル活用による新たな店舗体験への取組み」についてのオンライン説明会を開催し、
8月26日にリニューアルオープンした直営店舗、「auみなとみらい」での新しいスマートフォン購入施策について発表しました。
KDDIは2015年度より、店舗におけるCX(Customer Experience=顧客体験)の向上を目的とした活動に注力しており、2017年4月から2020年3月までの3年間で、店舗のNPS(Net Promoter Score=顧客推奨度)が20ポイントUPしたとしています。
ユーザーとの数少ない接点である店舗のNPS向上は、通信キャリアにとって重要課題だ
しかし、未だに問題点も多く残されています。
その代表が「混雑と待ち時間」です。
キャリアショップや家電量販店でスマートフォンなどを購入する際、長い待ち時間にイライラしたことがある人も多いでしょう。
今回KDDIがauみなとみらい店で導入したのは、そういった端末購入や機種変更時の待ち時間を大幅に短縮し、空いた時間をより手厚い顧客サポートに利用しようという試みです。
混雑と待ち時間への不満は実に4割弱に達する。逆に言えば、ここを改善できればCXは大幅に向上する
●オンライン手続き専用サイトでスムーズに端末購入
auみなとみらいで導入されるのは、スマートフォンなどの端末購入や来店予約を一括で行えるスマートフォン向けサイト(auみなとみらいの公式サイト)との連動です。
これまでにもau STARによる来店予約システムなどはありましたが、今回導入されたサイトでは質問形式で端末や料金プランを選び、購入予約および購入手続きを行えます。
アプリ内で購入手続きを行った端末は、auみなとみらいの店頭にて受け取ることになります。
これにより、端末購入に必要な時間は最短で20分、時間効率は2分の1以下になるとしています。
好きな時間に自由に選べるため、待ち時間や店舗の混雑にイライラすることもない
オンライン上で購入手続きを済ませられるのなら、わざわざ店舗に行かずに宅配で良いのではないか?
そう思う人もいるかと思います。
しかし、ユーザーの多くは対面による説明や案内などのサポートを強く求めており、サポートセンターとしての店舗の需要は非常に高いのが実情です。
そのため今回の取り組みのように、スマートフォンの購入手続きという最も時間のかかる部分をオンライン上で先に行っておき、店舗では十分に余裕のある時間を使って丁寧にサポートを行う、という方法が提案されました。
店舗での購入手順も一部をセルフサービス化しつつ、分からない点があればスタッフが丁寧にサポートしてくれる
●コロナ禍で減少した端末購入者を取り戻せるか
auみなとみらいの取り組みは、通信キャリアによる今後の店舗運営の大きな試金石となる可能性があります。
前述の通り、オンラインショップで購入するのと同じ感覚で商品を選びつつも、従来通り店舗スタッフによる丁寧なサポートを受けたいという「わがままな要求」は、多くの人が求めている部分です。
その上、現在は新型コロナウイルス感染症問題(コロナ禍)によって、長時間の外出や人が密集する店舗へ長く滞在することへの忌避感も強くなっており、結果として店舗への来場者が減り、機種変更や端末購入の顧客が減少するという流れに繋がっています。
現にKDDIは2020年4〜6月期決算において、端末販売台数が前年同期比で45万台もの減少となる150万台であったことを発表しています。
実に25%近くも端末販売台数が減っており、コロナ禍とそれ以前からのスマートフォンの買い替えサイクルの長期化が、数字として現れ始めているのです。
通信業界もまたコロナ禍によって大打撃を被った
KDDIは今後、auみなとみらいで導入した専用サイトの実績を見ながら他店舗でも展開していきたいとしているほか、サイトの内容を拡充し、現在は機種変更のみで対応しているところを、新規契約などにも対応させたいとしています。
執筆:秋吉 健