井上尚弥【写真:小倉元司】

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井上尚弥VSカシメロはいつ開催するのか、フィリピン紙が独自見解

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)の3団体統一戦は、新型コロナウイルスの影響で延期状態となっている。相手のWBO同級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の母国メディアは、試合日決定が遅れる一因として昨年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝のノニト・ドネア(フィリピン)戦でモンスターが受けた精神的ダメージの存在などを挙げている。

「イノウエ対カシメロ戦への長い待ち時間」と報じたのはフィリピン地元紙「マニラ・タイムズ」だった。新型コロナ禍で4月25日に米ラスベガスで行われる予定だった一戦は延期に。2月中旬から米国に先乗りしていたカシメロは、約5か月の米国滞在を余儀なくされている。

 井上と契約する米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOは、井上の米国への入国ビザを理由の一つに挙げていたが、カシメロは違った。記事では「(井上は)ビビっている」と語ったという。さらに「もしも、イノウエにビザの問題が本当に存在するなら、日本に喜んで遠征し、モンスターの牙城で戦いたいと主張していた」と紹介している。

 大胆不敵な発言をしたというカシメロ。井上戦の日程が決まらない場合、元WBA同級スーパー王者ルーシー・ウォーレン(米国)ら代替候補が浮上している。

「俺は他のファイターと戦うだろう。アラムとモンスターがビビっているからな。彼(ウォーレン)は簡単な試合ではない。とても優秀な相手で楽な試合とは言えない。イノウエに向けて準備しているので、いい練習を積むことが必要だ」

カシメロ「モンスターじゃない。俺はイノウエを虫と呼ぶぜ」

 他の相手と戦うことも視野に入れつつ、あくまで井上戦に向けて調整しているというカシメロ。記事では「不滅のパンチングマシーン」と評価される井上だが、ドネア戦で受けたダメージの存在を指摘している。「ドネアは昨年11月のスリリングな対決で彼の弱点を露呈させた。ドネアはポイントで敗れたが、未来の対戦相手にイノウエのディフェンス面の欠点を露呈させたのだ」。さらにこう続けている。

「イノウエと陣営は駆け引きに出ている。イノウエは眼窩底と鼻骨をただ骨折したのではない。彼の自信も打撃を受けた。これがイノウエ陣営がカシメロ戦を急がない本当の理由になりそうだ。イノウエはまずリスクの少ない相手と戦って、自信を取り戻すべきだ。そこで全てが上手くいって、イノウエはカシメロと戦う『グリーン・ライト(青信号)』が与えられれば良いと思う」

 井上はドネア戦で耐久力、メンタル面でも強さを証明し、これまでの技術、パンチ力、スピードなどに加えて全てが揃っていることを見せつけたはず。それでも、フィリピンメディアは独自の分析をつづっているようだ。記事によると「モンスターじゃない。俺はイノウエを虫と呼ぶぜ」とまで言い放ったというカシメロ。3団体統一戦はいつ実現するのだろうか。(THE ANSWER編集部)