無観客で行われているブンデスリーガの様子【写真:Getty Images】

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再開したドイツのデータを基に分析、ホーム勝率が低下&主審のジャッジにも変化

 再開から1カ月が経過したドイツのブンデスリーガでは無観客試合によってホームアドバンテージの影響が失われつつあると英紙「ガーディアン」が報じた。

 また、観客不在がレフェリーのカード提示に影響を与えている可能性も指摘されている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月中旬から中断していたブンデスリーガは、他の欧州リーグに先駆けて5月16日から再開を果たした。試合は一貫して無観客試合で行われている。

 サポーターの大声援がない静寂のスタジアムで行われているゲームでは、一般的にホームチームが有利とされるアドバンテージが失われているという。

 記事によれば中断前のデータでは、ホームチームの勝利が43.3%、引き分けが21.9%、アウェーチームの勝利が34.8%となっている(昨季はホーム勝利45.1%、引き分け23.9%、アウェー勝利31%)。

 その一方で、シーズン再開後最初の5試合ではホームチームの勝利が21.7%、引き分けが30.4%、アウェーチームの勝利が47.8%。当然サンプル数がまだ少ないことは留意点としてあるが、勝率に関してはホームとアウェーで逆転現象が起きている。

 また、観客不在の影響はレフェリーの判定にも少なからず影響を及ぼしているのかもしれない。ブンデスリーガでアウェーチームに出されたカードの枚数は再開前と後では大きな変化がなく一定だが、ホームチームに関しては1試合平均1.7枚から2.2枚へと増加したという。記事では「これは観客がいるとレフェリーはホームチームに甘くなる傾向があることを示しているようだ」と指摘されている。

 あくまで客観的事実に過ぎないとはいえ、試合を裁く審判もあくまでひとりの人間。試合が行われる環境や雰囲気が判定に影響を及ぼしているかどうかという点は非常に興味深いところだ。(Football ZONE web編集部)