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GW中の交通量 外出自粛で6割減も

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

不要不急の外出自粛が呼びかけられていることもあり、首都圏の高速道路は「ガラガラ」と言われている。

正確には自粛前と自粛後で、交通量にどれくらいの変化があったのだろうか?

外出自粛の呼びかけで首都圏の高速道路を走るクルマは減っている。首都高ではルーレット族対策でパーキングエリアを閉鎖する動きも。    加藤博人

首都高速、首都圏のNEXCO中・東日本管轄47か所(東日本高速20 中日本高速5 首都高速22)に設置されたトラフィックカウンター(トラカン)などで計測した結果をまとめた数値(前年同月日比。祝日や曜日も考慮)によると、緊急事態宣言が発令された首都圏の高速道路を走るクルマは、4月7日から激減している。

とくに、宣言直後、最初の日曜日(4月12日)の激減具合が凄い。

・4月7日(火):首都高86% NEXCO東・中86% 首都圏全体86%

・4月12日(日):首都高46% NEXCO東・中46%(小型車42%/大型車73%) 首都圏全体46%

・5月3日(日祝):首都高40% NEXCO東・中35%(小型33%/大型44%) 首都圏全体37%

全国に緊急事態宣言が出された4月16日以降は、全国規模で高速道路の利用がさらに大幅に減っている。岡山県、広島県を通る高速道路の中には、前年の12%にまで激減したエリアもある。

NEXCO3社や首都高速道路では、盛んに「不要不急の外出は控えてほしい」と訴えてきたので、ここまで大幅に減れば自粛呼びかけの効果も大きかったと言えるだろう。

そして、そんなふうにガラガラになった首都高で最近、増えているのが速度違反を取り締まる「移動式オービス」である。

今、首都高で速度違反をしているのは?

外出自粛でガラガラの首都高では確かに、走り屋風のいかにも速そう!という見た目のクルマも走っている。中には、かなりのスピード(100km/h超)で追い抜いていくクルマもいる。

しかし、実際には常連の走り屋で移動式オービスを光らせるクルマはあまりないと言われている。

主要高速道路のトラフィックカウンターの計測では、緊急事態宣言の直後の週末に、交通量が約6割も減少している。    加藤博人

首都高の移動式オービスをはじめ、日本全国のオービス設置状況に詳しい、アプリ「オービスガイド」を運営する有限会社パソヤ大須賀克己氏によると、

「ルーレット族と言われるような皆さんは移動式オービス設置の情報を早い段階で共有している感じですね。

明らかにその場所だけ速度を落とし回避していますよ。反面一般ドライバーが知らずに光らせているようでした。

わたしも深夜の首都高速はちょこちょこ使いますが、凄い速度で追い抜いていくクルマも確かにあります。

『ここで抜いて行くのか……!』と驚かされることも。速度を守って走っているクルマへの配慮が欲しいですね。スピードを出すならサーキットなどクローズドな場所で走行してもらえると良いかなと思うのですが」

確かに、SNSなどでオービス設置の情報が即座に共有できる時代。たとえ神出鬼没の移動式オービスを設置したところで瞬速回避されそうだ。

ところで気になるのが、首都高に設置された移動式オービスは、どれくらいの速度超過で光ったのか? ということである。

まさか、ゾーン30のように10km/hオーバーレベルで光るなんてこともあるのか?

首都高の移動式オービス 光った“瞬間”

移動式オービスは高齢者を中心とした歩行者との接触事故が増えている実情から、「ゾーン30」などの市街地や繁華街で対歩行者の事故を減らすことを目的に導入されてきた。

歩行者とクルマが接触した際、30km/hを超えると死亡率が大幅に上がるというデータもあるからだ。

首都高に設置された移動式オービスで取り締まりが行われた瞬間。    オービスガイド

そこで、ネズミ捕り方式の速度違反取り締まりとは違って、違反車両を停めたり、「サイン会場」へ誘導したりの人員や広いスペースが不要、写真が後で郵送されるオービス方式&小型&可搬式であることをウリにした「移動式小型オービス」の導入が2016年以降、急速に全国で進んできたのである。

移動式オービスでは、制限速度30km/hのところを10km/hオーバー程度であっても、超過速度違反として取り締まることも可能になった。

となると気になるのが、首都高の移動式オービスは、何キロオーバーで光るのか?ということ。

こちらも、首都高に設置された移動式オービスが光る瞬間を撮影した、前出の「オービスガイド」大須賀氏に聞いてみたところ……

「実際に速度を計測していたわけではありませんので何キロで光るとは言えません。ただし10キロや20キロオーバーでは光っていないと感じました。

移動式オービスは撮影する(取り締まり対象となる)速度を自由に設定できるはずなので、場所や状況により変更していると思います。

なので、今回は80km/hで通過して光らなかったとしても、次回通過時は撮影される可能性があります。

やはり忘れてならないのは、制限速度を守ることですね」

知らない人が多い? 結構複雑、首都高の「最高速度」

ところで、ふだんはそんなにスピードを出すわけではなさそうで、走り屋でもない普通のドライバーがオービスを光らせてしまうのは、どんな理由があるのだろうか?

実際に、「最近首都高でオービスを光らせた」というとある若いドライバーに話を聞くことができた。

移動式オービスが設置されるのは、事故が多い場所でもあるから。正しい速度で安全に運転したい。    オービスガイド

ふだん自身のクルマ首都高を走ることはほとんどないそうだが、クルマ好きの友達のR34 GT-R(の助手席)に乗って何度か首都高を回ったことはあるという。

オービスを光らせた時は1人でクルマを運転しており、「いつもは混んでいる首都高が空いていると聞いたので、この機会に走ってみようと思った」そうである。

スピードに熱狂するタイプでももちろんないのだが、光らせた理由を聞いてみたところ……「首都高が60km/h制限だと知らなかった」という答えが返って来た。

確かに首都高速道路は「高速道路」の名前はついていても、原則としてほとんどのルートが最高速度60km/hに規制されている。湾岸線など比較的新しい片側3車線のルートでは一部80km/hのところもあるが、都心では50km/h、40km/hというところもある。

移動式オービスが設置される場所=事故が多発しているところ。

警察が取り締まるにはちゃんと理由があるのだ。正しい規制速度を知って安全運転を心掛けてほしい。