アメリカでは4月第2週、660万人のアメリカ人が失業給付を申請し、申請者数は合計で1700万人にものぼりつつある。そんななか、人々は副業にに精を出しはじめた。その多くが、ビューティ・カウンター(Beautycounter)やステラ・アンド・ドット(Stella & Dot)などを利用した、ソーシャル販売に目を向けている。

自宅待機命令で登録が倍増

ビューティ・カウンターのファウンダーかつCEOであるグレッグ・レンフル氏によると、3月の新規コンサルタント数が2倍になっているという。独立したコンサルタントとしてビューティ・カウンターに登録している人数は約5万人になる。

「3月5日から7日にかけて、サンフランシスコで毎年恒例のカンファレンスを計画していたが、イベントの約10日前に物理的なイベントはキャンセルし、アセットとコンテンツを再利用して、ライブストリームに切り替える判断をした」と、レンフル氏は言語る。「会社としては、深刻な事態になると判断してアクションを取る点では早い決断ができた。そして我々の独立コンサルタントと社内チームに周知した」。

大量の一時帰休や解雇が日を追って増えており、特にカリフォルニア州が州全体での「自宅待機」命令を3月19日に出して以来、その数は急増した。ロサンゼルスを拠点とするビューティー・カウンターは3月1日から4月31日までコンサルタントとしての登録無料キャンペーンを設けている。コンサルタントとしてブランド製品を宣伝するときに使うプロダクトが複数含まれるブランド・スターターキットは、100ドルから735ドルの値段だ。

「解雇された、もしくはエアービーアンドビー(Airbnb)のホストとして収入を得ていた、サロンやレストランで働いて収入を得ていた、役者として収入を得ていたなど、それまでの収入の代替策を見つけないといけなくなった状況で、コンサルタントたちがその活動を増やして、『これまでは副業だったけれど、いまはこれがメインの仕事だ』と言いはじめている」と、レンフル氏は説明する。同氏は現在在籍しているコンサルタントたちの話を聴く「リスニング・ツアー」を呼ばれる企画をはじめた。これまでのところ、バーチャルで4000人のコンサルタントと繋がり、1日に75から100件のアポイントメントを入れている。彼らの懸念やフィードバックを知ることが目的だ。

女性たちの動きを反映

ステラ・アンド・ドットのファウンダー、CEOであるジェシカ・ヘリン氏は、同様の流れを体験していると語る。ステラ・アンド・ドットは同名のファッション・ライン、スキンケアブランドのエバー(Ever)、そしてアクセサリー・ラインのキープ(Keep)を、ユーザー自身に売り込んでもらう形式となっている。売り込みをしてくれるセラーを増やすために、登録時のプロダクト詰め合わせ・スターターキット199ドルと売り込み用の素材を購入した際に、199ドルの返金と250ドルのコミッションを提供するキャンペーンを行っている。彼らが抱えている独立コンサルタントの数は3万人だ。

「2月には数が伸びたが、3月には勢いが衰えた。これはおそらく女性たちが、子どもたちが学校に行かなくなり自宅にいるようになったこと、仕事、そしてそれ以外にも、とにかくたくさんのタスクを調整していたからだと思う。しかし先週は、エンゲージメントにおいて急上昇がみられた。参加することのリスクは低いことに人々が気付いているのだと思う。今週参加して、すぐにお金を稼ぎはじめることができる。2008年に起きたことと非常に似ている。人々がこの新しい現実に対して思考が追いつきはじめ、失業給付や緊急給付といった対応をしたあと、今月と来月の末には、登録数の増加を予想している」。

ステラ・アンド・ドットはオンラインリテールのスタイリングアプリ「ミミ(Mimi)」を1月にローンチした。彼らが抱える3つのブランドを横断する形で、購入可能なプロダクトをキュレーションしたページをシェアできるアプリだ。月間アクティブ・コンサルタント、つまり同社から報酬支払いを受け取っているコンサルタントの数を現存の1万人から2万人に今年は倍増させる予測だと、同社は1月に述べていた。ラグジュアリーブランドのリバイブ(RéVive)のCEOであるエラーナ・ドレル・サイファー氏も、既存の流通に加えてソーシャル販売のモデルを検討すると述べた。

パンデミック状況での人気商品

それでも平均的な顧客がパンデミックのなか生活必需品ではない商品を購入する所得があるのか、という疑問は存在する。ステラ・アンド・ドットのエバーでは、コア・スキンケア・プロダクトが良い業績を見せているようだ。オンラインではボディ・バターが売り切れている。ファッションとアクセサリー・プロダクトでは、イヤリングと着心地の良い服が飛び抜けていると、ヘリング氏は語る。これはビデオ会議が増えたことが原因だろう。また、友人や家族と繋がる方法を求める人々がいるなかで、卒業や母の日の贈り物も継続して良い業績を見せているという。

ビューティ・カウンターでは、スキンケアとリップスティック分野はパンデミックの最中でも業績が下がってはいない、しかし、アイパレットのようなトレンドにフォーカスした商品よりも石鹸やボディソープといった必須消耗品がベストセラーとなっていると、同社のレンフル氏は説明する。

「不景気のなかですら、小さなラグジュアリー商品に対しては人々はお金を落とすだろう。5万人の家族のために立ち上がることが我々の責任だ」と、レンフル氏は語った。「彼らがいま、もっとも必要としているものを理解して、対応できるようにしたい」。

Priya Rao(原文 / 訳:塚本 紺)