聖地と言われた旧国立競技場と新国立競技場の最大の違いとは
それに追い打ちを掛けるのが、深緑を基調にした、まだら模様にペイントされた客席だ。まだら模様の客席は海外のスタジアムでもよく見かけるが、深緑を基調にした配色を見るのは初めてだ。スタジアム内を杜っぽくしようと、したかったからではないか。神社っぽいと言いたくなるスポーティではない重たさ、厳かさは、木の茶色とこの深緑の掛け合わせることにより、いっそう増す結果になっている。
スタジアムには風を通す隙間が各所に設けられている。実際、風はそこを抜け、スタジアム内に入り込んでくるが、そこから神宮外苑の気が進入してくるような気配はない。通気の役割を担っているに過ぎない。したがって冬は寒い。
世界で一番新しく建てられたスタジアムだが、世界に向けてどうだ! と胸を張りたくなるスタジアムとは言い難いのだ。とはいえ、これから頻繁に足を運ぶことになるスタジアムでもある。ここをこう直せばもう少しよくなるのではないかという点を挙げるならば、客席の改善だ。深緑を基調としたまだら模様の客席を、何とかもう少し、選手のモチベーションを高め、好プレーを促すような、ポップで軽やかな配色に変えて欲しいものである。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。