新しい顧客が集まっている場所でリーチするため、ビューティブランドたちは女性向けマッチングアプリ、バンブル(Bumble)に目をつけた。バンブルは、女性からアプローチしないと進展しないのが特徴となっているサービスだ。

バンブルは先日、毎年恒例のギフトガイドをリニューアルローンチ。これはモバイルのバンブルユーザーに対して、ビューティ、ライフスタイル、そしてファッションのブランド製品を、日替わり、週替り、そして月替りでプレゼントするというものだ。ベッカ(Becca)、エルノ・ラズロ(Erno Lazslo)、トゥルー・ボタニカルズ(True Botanicals)、ラブ・ウェルネス(Love Wellness)、クワイ(Quai)、そしてイプシー(Ipsy)の6つのビューティ企業が参加する。ブランドのなかには参加するためにお金を払ったものもあれば、払わなかった企業もあるようだが、バンブルはどの企業がそれに当たるのかは回答しなかった。米DIGIDAYの姉妹サイトであるGlossy(グロッシー)では、プレゼントにはそれぞれ約4つのプロダクトが提供されたと推定している。このパートナーシップをインスタグラム(Instagram)やeメールを通じて宣伝したブランドもある。これはサブスクリプションボックス企業とのパートナーシップと比較すると、参入障壁としては低い必須事項だ。後者の場合、3000ものサンプルや常にソーシャル上でのプロモーションが必須となることが多い。

Glossyが入手した媒体資料によると、バンブルはモバイルアプリのダウンロード回数が2700万回、モバイルとデスクトップでのユーザー登録者数が7500万人となっている。ギフトガイドにフィーチャーされているブランドはすべて、バンブル側からアプローチしたようだ。その報酬として、ブランドはバンブルから何百万ものインプレッション数を受け取るだろうと、複数の情報源から証言を得ている。

「顧客がいる場所で繋がりたいと我々は思っており、顧客は明確にモバイルに存在している」と、トゥルー・ボタニカルズのファウンダーであるヒラリー・ピーターソン氏は語った。彼女によると、バンブルのフィメール・エンパワーメント(女性に力・自信を与える)というアプローチがパートナーシップの魅力となったという。「モバイルにおいて大きな存在力があるからというだけで、誰とでも繋がりたいわけではない。我々と似ているミッションを持ったブランドと繋がりたいのだ」。

投資するに値する場所

18歳から35歳の女性にリーチすることはビューティブランドのマーケティング環境において、ますますコストが高くなってきている。そんななか、マッチングアプリは比較的手が付けられていない領域だ。さらにビューティ商品の購入には盛んにモバイルが使用されている。そのことからもバンブルはマーケティングチャンネルとして価値があるものになっている。eコマースコンサル企業であるアブソルーネット(Absolunet)によると、北アメリカにおけるeコマースは、2018年に16%伸びて5000億ドル(約54兆円)となった。これはモバイルでの売り上げが55%増加したことが主因といえる。

トゥルー・ボタニカルズの顧客の約65%は35歳以下、75%は45歳以下。顧客の69%はモバイルでの買い物をするとピーターソン氏は語る。今回のパートナーシップは、主にeメール獲得の機会と考えているようだ。そしてバンブルはトゥルー・ボタニカルズに対して、300万のソーシャルインプレッションを保証していると彼女は述べた。別のブランド、アーバン・ディケイ(Urban Decay)は9月に、ハニー・アイシャドー・パレット(honey eye shadow palette)をローンチしたときにバンブルとパートナーシップを結んだが、eメール獲得はアーバン・ディケイにとってもひとつのモチベーションであったと、グローバル・ブランドマーケティング部門バイスプレジデントであるティナ・ポッティ氏は説明する。彼女は具体的な数字を明かさなかったが、予想していた約2倍の数のeメールアドレスを獲得したと述べた。

オンラインのマッチングアプリもしくはウェブサイトを使用したことがあると申告する18歳から24歳の割合は、過去2年でほぼ3倍にまで増加している。そしてピュー・リサーチ(Pew Research)によると、全アメリカ人の15%はマッチングアプリもしくはオンラインマッチングウェブサイトを使用したことがあるとなっている。適正なオーディエンスであること、そして彼らが毎週10時間はデートプラットフォームに費やしていることを考えると、マッチングアプリはブランドにとって投資するに値する場所となっているわけだ。

「日常生活で繋がりたい」

トゥルー・ボタニカルズは彼らが抱える15万2000人のフォロワーに対して、通常のインスタグラム(Instagram)投稿を一度、そしてストーリーズ(Stories)の投稿を3回行う予定だ。また、彼らのデータベースを使ったマーケティング・eメールにおいて、3回バンブルのプレゼントキャンペーンをプロモートする。eメールを通じてエンゲージメントを持つ顧客の数は、ピーターソン氏は明かさなかった。ギフトガイドはまた、バンブルのインスタグラムストーリーズでプロモーションが行われる。バンブルのユーザーはアプリ使用中に専用のページが表示され、その日の参加ブランドのプレゼントが何かを見ることになると、広報担当者は説明した。以前にも、バンブルが抱えるネットワーキング部門であるバンブル・ビズ(Bumble Bizz)と、トゥルー・ボタニカルズは2018年、ロサンゼルスでのポップアップ店舗で協働している。

「この種類のパートナーシップ、特に我々と非常に調和が取れたブランドとのパートナーシップは、新しいオーディエンスを合わせるもっとも効率が良い方法だと発見してきた」と、ピーターソン氏は言う。ほかのデジタルパートナーシップと比較すると、300万のソーシャルインプレッションは「高い」数字だと彼女は語った。

友人関係、恋愛関係、そしてキャリア機会を横断して女性に力と自信を与えるライフスタイルアプリというバンブルのポジショニングが、エルノ・ラズロがギフトガイドに参加することになったきっかけだったと、最高マーケティング責任者であるクリスティ・ワトソン氏は言う。エルノ・ラズロは92年の歴史を持つ老舗のスキンケアブランドだ。彼らの主要顧客は29歳から35歳のあいだにある。彼らは全体のホリデーテーマをスキンケアを中心にデザインする。彼らが抱える顧客データベースにeメールを送り(ワトソン氏はデータベースに含まれる人数は明かさなかった)、インスタグラムとFacebookを通じて今回のパートナーシップの宣伝をすることに加えて、エルノ・ラズロさらに料金を支払って、バンブル上のプレゼントキャンペーンに200万回のビュー数を追加で得ることになっている。広告関連の数字を明かすことはしなかったが、エルノ・ラズロのホリデー戦略にとってバンブルのパートナーシップは非常に重要な要素であり、ライフスタイルのブランドであることで、有料広告でプロモーションする正当な理由となった、と述べた。

「顧客にはプロダクト以上のものを提供する必要がある。(だから)我々は今回のライフスタイルというアングルを気に入った。人々が存在している場所でリーチして、彼らの日常生活の一部で繋がりたいと考えている」と、彼女は述べた。

目的はエンゲージメント

エルノ・ラズロは8月に、バンブルのイベントで複数回コラボレーションをしている。彼らがパートナーシップを結んだマッチングアプリはバンブルが唯一だ。今回のホリデーパートナーシップが夏のアクティベーションと同様の成績を見せれば、今後3カ月から12カ月のあいだに、彼らはバンブルとのパートナシップをさらに契約する可能性が高い。

「eメールを獲得することが難しい点ではない。しかし難しいのはeメールを使って我々の目的を達成することだ。今回はアクティビティを通じてブランドとエンゲージメントを持ってもらい、イベントに来てもらう、もしくは商品を購入してもらうことだ」と、彼女は説明した。

Emma Sandler(原文 / 訳:塚本 紺)