野球世界一奪還!なんとなく始まって何となく優勝していたプレミア12の野球日本代表、真の世界一を目指し次は東京五輪への巻。

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真の世界一を名乗るなら俺たちを倒してからにしてもらおうか!(韓国)

真の世界一を名乗るなら俺たちを倒してからにしてもらおうか!(韓国)

真の世界一を名乗るなら俺たちを倒してからにしてもらおうか!(韓国)

すみません、何となくあと3回くらい同じセリフがリフレインする展開になるんじゃないかという気がして、実際に3回繰り返してしまいました。コピペミスではありません、これは正しき野球世界一への道のりです。17日、野球日本代表・侍ジャパンは野球世界一を10年ぶりに奪還しました。2009WBC以来の戴冠、それは紛うことなき野球世界一でした。しかし、実は真の野球世界一はまだこの先にあるのです。そして、そこでは韓国、韓国、韓国などが待っています!

「何のためにやってる大会なんだろう?」

このプレミア12大会期間中、そんな素朴な疑問を何度も抱いたことでしょう。土曜日も日曜日も韓国とやって、日曜日に勝ったほうが土曜関係なく世界一という100%消化試合の発生には「シーズン中よりヌルいな…」という気持ちにもなりました。「WBCとの違いがよくわからない」「WBCとの違いはわかるがやる意義が見えない」「全部わかってるつもりだけど、なおやる意味がわからない」といくつものレイヤーで積み重なる疑問。

しかし、この大会こそが東京五輪という野球界最後の「金メダル」を争う超絶最高峰決戦への道のりなのです。2位の韓国も3位のメキシコも必死にその切符を目指していたのです。4位のアメリカも、台湾・オーストラリアもそうです。ここで得られる2枚の切符、そして欧州・アフリカ予選、アメリカ予選、世界最終予選の突破国が開催国日本が待ち受ける東京へ乗り込んでくる道がプレミア12なのです。

そう、ここでの世界一は真の世界一への通過点。

WBCからはまったくつながっていない「五輪金」がこの大会の先にはある。当の日本だけはその辺をよくわかっていませんでしたが、世界はみんな知っていた。この戦いが始まりに過ぎないことを。ここに出たチームが再び五輪に集い、東京で今度こそ真の世界一を決めるのです。同じ東京で、たった1年後に!

6チーム参加の五輪では最大で同じチームと3度対戦することになります。「金メダルへの6試合中3試合が韓国」というシチュエーションも計算上はあり得ます。ならば消化試合と言えども、ひとつも負けるわけにはいきません。ソフバンが西武と巨人を8連勝で粉砕したように、韓国だろうがアメリカだろうがすべてのライバルを粉砕し、日本が五輪金を手にしましょう。そもそもこの五輪金は東京が名乗りを挙げ、東京が野球をゴリ押ししたから生まれたもの。僕らが欲しくて、お金を出して、無理を言って作ったメダル。絶対に誰にも渡さない。絶対に、絶対に、絶対に!

ということで、五輪金への長い長い韓国5連戦くらいの第2戦、世界野球プレミア12決勝・日本VS韓国戦をチェックしていきましょう!



◆一旦世界一となったことで稲葉監督の続投リスクが発生中!

中継のゲストに登場した西武・秋山翔吾さん。JAPANジャージを着こみ、まるで自分も日本代表の一員であるかのようなツラ構えです。しかし、ここで「試合に出てないヤツはチームの一員ではない」とハッキリ区別するような冷酷漢は日本にはいません。本人が球場に来ているのにベンチにユニフォームを提げておいてくれるナイスガイの集団。秋山さんも弔い合戦パワーをベンチに送ります。

スタメン1番・山田哲人の発表に「オオオオオ!」と沸くスタンドと、2番・坂本勇人の発表に「んんんんん?」と困惑するスタンド。これぞまさに稲葉イズムという起用。基本的には過去のデータを信じ、選手の復調を信じる短期決戦下手糞采配の監督さん。しかし、横槍が入れば素直に反応し「ハイ!指笛は止めます!」「ハイ!山田哲人を使います!」「ハイ!使うの忘れてたんで外崎を先発させます!」とすぐに態度を改める素直さも持ち合わせています。傷は必ず負うが、比較的浅く済む。その朝令暮改的な信念のなさこそが稲葉監督の長所です。

先発のマウンドに立つ山口俊。「世界一を山口に託す」と心から思っていたのは稲葉監督ただひとりだったかもしれません。人格・実力どちらも信じてはいない、そんなファンたちの不安顔。「千賀で負けるならしょうがないが、山口で負けたら絶対に納得できない」「メンタル弱いから暴れてるってのがまだわからないのか」「しかも會澤が球受けって、直接揉めてる相手じゃん」とSNSには文句のオールスターが列を作っています。

そして案の定……!

↓先発・山口俊さん初回に2被弾で3失点!

今すぐユニフォームひっぺがしてベンチに提げておけ!

いい加減、西武に投げてないピッチャーは3割引きで考えるべき!




Google検索で「稲葉」と入力すると「無能」が勝手にオススメされてくるという近況も納得の初回3失点。先発・山口について人格も実力も疑っているなかで、案の定のこの結果には日本のファンも荒れモードです。「真っ直ぐは打ち返されてないですよ」という解説の上原浩治さんオススメ通りに真っ直ぐを投げたらドカーンといかれるというあたりも、もはやどうしようもない感じ。これだけ日本にはピッチャーがいるのに何故山口と改めて選考のおかしさを悔やみます。16日の先発・岸も国際試合ダメだって言ってるのに呼ぶから結局消化試合送りだし、案の定打たれてるし……。

しかし、稲葉監督の動きは早い。本当はあと1イニング早いほうがよかったけれど、先発・山口を1回終了後にすかさず「肩たたき」。1イニングで山口を見切る英断で稲葉監督は試合のペースを落ち着かせます。「やった、稲葉ハンデは3点で止まった」「3点ならまだ追いかけられる」「ここからが本番だ」とチーム・ファンの意気も上がります。やはりこの朝令暮改的な信念のなさこそが稲葉監督の長所です。できれば「朝令」自体がなくなるといいなぁとは思いますが。

すると打線も反撃を開始。この大会通じてのバカ当たりで「稲葉ハンデ」を埋めてきた広島・鈴木誠也が1回裏に二死一塁から追撃のタイムリーツーベースを放ちます。韓国側がクッションボールの処理を完全に失敗するというミスもあっての追撃は、日本の重苦しい稲葉ハンデをも払拭するようでした。いけるいける、全然いける。山口も下がるみたいだし全然いける!

↓「稲葉という制約を負うことでチカラが増すユニット」みたいな謎のバカ当たり!

広島での試合より東京での試合のほうが燃える!

広島での試合より東京での試合のほうがリフレッシュできる!

真剣に同棲…じゃなくて移籍を考えるお年頃かもしれませんね!

そして2回裏、二死一・二塁のチャンスを築くと打席には山田“トリプルトリプルスリー”哲人。7球粘って相手に投げるボールをなくさせたあと、内角低めに入ってきた勝負のストレートをすくい上げた山田。打球は一直線にレフトスタンドへ突き刺さり、逆転のスリーランとなります。日本のトリプルスリーが完全に相手を上回って、いよいよ世界一が見えてきました!

↓やまーだてつと(1点)!やまーだてつと(2点)!やまーだてつと(3点)!

よーし、逆転!

1点もやらなければ優勝、世界一だ!




稲葉監督はここから矢継ぎ早の継投を開始。2番手・高橋礼を2イニングで下げると、3番手に巨人・田口麗斗を2イニング、4番手に巨人・中川皓太を1イニングと左・左でつないでいきます。打線ではセカンドばかりをコレクションしたように、投手陣も終盤のコレクションは豊富な陣容。とにかく7回あたりまでつなげばあとはもう盤石なリレーが可能です。そこまで無失点でつなぐぞという総力戦。だんだん短期決戦っぽい采配になってきました!

そんななか、守備でも侍たちは奮起。「サードで呼ばれていたのか…」という困惑をサイコパスな無表情で隠した西武・外崎が、決勝戦にきてのサードスタメン起用でも巧守を見せるなど、さすがの日本野球というところを見せます。「普段バントなどやっていない松田に執拗にバントの指示を出し(だって打たないんだもん)」「今年一度もサードなど守っていない、ていうか去年は主に外野をやってた外崎をサードで送り出す(だって守れるって言うから)」という無茶ぶりにもしっかり応えたバックが頼もしい。

↓ピンチの場面も、飛び出した走者を挟んで三振ゲッツー!


守備でも日本のほうが上回っている!

野球世界一にふさわしい戦いぶり!

無失点リレーで勝利の方程式へとつなぐと、まずはソフバン・甲斐野が圧巻の中締め。シーズン中に感じていた「打てる気がしない」という感覚は改めて世界の舞台でも証明されました。三者凡退でスパッと斬って落とし、ついに大会を通じて一度もつかまることはありませんでした。さすが甲斐野。すると、味方もその投球に呼応。7回裏の攻撃では最後に帳尻を合わせにきた巨人・坂本の二塁打を足がかりに、最後は楽天・浅村がタイムリー。貴重な追加点で世界一待ったなし!

↓甲斐野のフォークボールは打てる気がしない!トンデモないとこを振ってしまう!


↓ピッチャーがよく投げると、バッターもよく打つ!

完全に勝ちムード!

あとはしっかり締めるだけ!

8回にはオリックス・山本、そして9回にはDeNA・山崎康晃を送り込む世界一リレー。場内も勝利を確信しながらBGMを声でつける手作りの「ヤ・ス・ア・キ!」コールで世界一へのカウントダウンを盛り上げます。先頭打者は難しい打球ながらも外崎が上手く拾ってサードゴロ。ふたりめは菊池が易々とさばいてセカンドゴロ。そして最後のひとりは狙いすました空振り三振。7回に勝利の方程式に入って以降、ひとりの走者も出さない完全締めで、日本が野球世界一を奪還しました!

↓10年ぶりに取り戻した定位置!日本の野球は世界一!

稲葉監督男泣き!

稲葉監督はこの戦いに人生を懸けていました!

選手たちは「ほぼほぼ本気」くらいだったかもしれないけれど!

↓秋山が走った!秋山が走った!秋山が走った!(※ハイジの声で)

ダメです、帰って治療してください!

プレーしていない人は帰ってください!

そして早く移籍交渉を進めてください!




正直「ヌルッとした世界一だな」とは思います。なんとなく始まって、なんとなく勝っていました。ラグビーワールドカップのテンションと比べると、よー知らん大会のヌルッとした勝利という感は否めません。ただ、あくまでも東京五輪こそが大本番。東京五輪で金メダルを獲り、ついでに2021年のWBCを奪還する(もしあれば)。この3年連続世界一で、永久不滅の野球大国を世界に誇示していくのです。その意味ではまだ戦いは途中であり、この世界一はホップ、ステップ、ジャンプのホップ。まずは素晴らしい第一歩を喜びつつ、来年の東京五輪へ気を引き締めて向かいましょう!




よくわからない大会でも勝てばうれしい!ありがとう野球日本代表!