夕刊フジ(左)と日刊ゲンダイ(右)は、朝刊販売エリアで販売できなくなることをお詫びする記事を出している

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消費税率の引き上げが2019年10月に迫るが、「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」については軽減税率が適用され、税率は8%のままだ。

それでも一部の新聞社では新たな対応に追われている。定期購読以外の「1部売り」では、販売ができなくなったり、値上げしたりするケースも出ている。

半年前に10円値上げしたばかり

増税の影響を直接受けるのが、駅やコンビニでの「1部売り」が多い夕刊紙(首都圏では東京スポーツ、日刊ゲンダイ、夕刊フジの3紙)だが、3紙とも価格を据え置く。ゲンダイとフジは19年4月、東スポは19年5月に、増税に先行する形でそれぞれ1部140円(税込)から150円に値上げしたためだ。

それでも10月1日には影響が出る。夕刊紙はその名の通り、基本的には「夕刊」の時間帯に販売されるが、印刷工場から遠い地域では翌日の朝刊紙と同じタイミングで販売されている。北関東や東北などが、それにあたる。9月30日に発行した新聞を、日付をまたいで増税後の10月1日に販売するとなると、コンビニのシステム上対応が困難だとして、コンビニでは販売されないことになったのだ。

日刊ゲンダイは9月25、26日発行(26、27日付)の紙面で「朝刊販売エリアの皆さまへ」と題した記事を掲載し、

「ご迷惑をおかけすることをお詫び申し上げます。日刊ゲンダイでは、ご購入できない皆さまのために、10月1日号(9月30日発行)を郵送料込み150円でご自宅にお届けします」

とした。夕刊フジも9月27日発行(28日付)の紙面で「おことわり」を掲載し、

「ご迷惑をおかけします。本件については、夕刊フジ販売部までお問い合わせください」

とした。夕刊フジでも日刊ゲンダイと同様の対応を予定しているという。

毎日&産経も10円値上げ

朝刊紙でも、定期購読ではない「1部売り」は軽減税率の適用対象外だ。9月27日時点では全国紙の中では毎日新聞が140円から150円に、産経新聞が110円から120円に、それぞれ値上げすることを発表している。月ぎめや夕刊1部売りの購読料は据え置く。

値上げ幅はそれぞれ7.1%、9.1%だ。両社は社告で、軽減税率適用除外以外の経緯を

「朝刊1部売り定価につきましては2014年1月以来、5年9カ月にわたり据え置いてきました。この間、原料費の高騰などにより製作、流通経費が増えてきております」(毎日)
「輸送費など経費の上昇もあり、改定させていただくことになりました」(産経)

と説明している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)