「米騒動」の1993年と並んだ

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農林水産省が発表した2018年度の食料自給率(カロリーベース)が、前年度比1ポイント減の37%になった。これは冷夏でコメの記録的な不作が社会問題となった1993年度と並び、過去最低の水準という。

農水省は天候不順で北海道の小麦や大豆の生産量が大幅に減少したことが主な要因としているが、消費者の長期的なコメ離れも大きく影響している。

生産額ベースでは横ばい

日本の食料自給率は1960年の79%をピークに長期的な低下傾向が続いている。食料自給率が長期にわたって低下しているのは、日本人が食べるご飯の量が減り、肉などのおかずを食べる量が増えたからとされる。

自給率37%は主要先進国の中で最も低く、日本が食料の多くを輸入に頼っている現実を意味する。政府は当初2020年度までに食料自給率を50%に引き上げる目標を掲げていたが、実現困難なため、25年度までに45%とする現在の目標に引き下げた経緯がある。現状ではいずれにせよ政府目標の達成は困難な情勢だ。自給率の目標に明確な根拠があるわけではないが、専門家の間では食料安保上、過半の50%以上を目指すべきという意見が根強い。

食料自給率は、食料の国内消費に占める国産の割合を示している。生産額ベースの18年度の食料自給率は66%で前年度から横ばいだった。

農水省によると、カロリーベースの食料自給率が低下したのは、2018年6〜7月に北海道などが低温や日照不足となり、小麦と大豆の国内生産量が大幅に減少したことが響いた。牛肉や乳製品の輸入増も自給率の低下を招いた。一方、ホタテ貝の回復やマイワシの好漁で魚介類の漁獲が増えたのはプラス要因となった。

コメ消費は長期的に低下傾向

農水省はコメについて「消費減少の中で主食用米の国内生産は前年並みを維持した」として、今回はマイナス要因とならず、むしろプラス要因になったと説明している。

しかし、日本人の主食であるコメの消費は長期的に低下している。農水省によると、主食米の需要量は01年度以降800万トン台で推移してきたが、12年度に781万トンと初めて800万トンを下回り、近年は年間8〜10万トンずつ減少。2018年度は過去最低の740万トンに落ち込んだ。

コメの年間消費量を1人当たりの茶碗に換算すると、日本人は1965年度に1日5杯、米飯を食べていたが、現在は3杯弱となる計算だ。だが日本人がコメの代わりにパンや麺類をたくさん食べるようになったわけではない。1960年代に比べて増えたのは肉類と、植物油・バターなど油脂類だ。

これは何を意味するのか。政府関係者は「日本人の食生活が豊かになり、主食のご飯よりも、肉などのおかずをたくさん食べるようになったということだ。その結果、コメの消費が減ったわけで、食料自給率が長期的に低下するのは避けられない」と説明する。

であれば、自給率アップを標榜する食料自給率目標は現実にはそぐわないことになる。政府がいずれ抜本的な見直しを迫られるのは間違いない。