ホームラン後の一コマに賛否両論【写真:AP】

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リトルリーグWSで生まれた一幕に反響、ESPNは「スポーツマンシップの全て」と称賛

 米国で行われている野球のリトルリーグ・ワールドシリーズで本塁打を打たれた投手が、打った打者に対して敬意を示し、ハイタッチを求めに行くというシーンが発生。米スポーツ専門局「ESPN」は「スポーツマンシップの全て」と称賛して動画付きで公開したが、米ファンは「参加賞トロフィーが存在する意味がある」「くだらない友情はやめるべき」「彼らに競争の意味を教えるべき!」と賛否が分かれている。

 話題を呼んでいるのはリトルリーグ世界一を決めるワールドシリーズで、16日に行われたニューイングランド代表(米国)とサウスイースト代表(米国)の一戦だった。5回のサウスイーストの攻撃。ニューイングランドの右腕アレックス・アンダーソンが投じた外角低めの速球をブレイディ・イェーツが豪快にフルスイング。大きなアーチはそのまま右中間席の最深部に突き刺さった。

 MLB選手顔負けの豪快な一発に球場は大盛り上がり。ベンチの選手も飛び出して喜んでいるが、興奮したのは打たれた投手も一緒だった。ダイヤモンドを一周するイェーツが三塁を蹴ると、投手のアンダーソンが駆け寄り、グラブを差し出した。同じ米国勢同士、打たれてもすがすがしかったのだろう。打者とハイタッチを交わし、にこやかな表情でマウンドに戻っていった。

「ESPN」公式ツイッターは実際のシーンを動画付きで公開。「ホームランの後でも、選手たちはスポーツマンシップの全てを見せた」とし、子供たちのフェアプレーと評した。しかし、目の当たりに米ファンからはコメント欄で「ここに参加賞トロフィーが存在する意味がある」「この少年たちとても微笑ましい」「こんなに和むものない」という称賛の一方、厳しい声も上がっている。

ファンは賛否両論「スポーツマンシップは他チームを応援することじゃない」

「スポーツマンシップの意味は、他のチームを応援することじゃない。相手、そして自分のチームに敬意を払い、正々堂々とプレーすることがフェアプレーだ。くだらない友情はやめるべき。可愛くない」
「彼らはまだ11歳とか12歳。他のチームを応援しているのではなく、単にこのステージに立って、友達を作れたことに喜んでいるだけ。そんな怒るなよ」
「友達だって? 彼らは別の国や地域からなるチームで、お互いのことなんて知らない。たとえ、親友であっても試合後まで控えるべき。試合に参加するのであれば、最優先すべきは自分のチームでしょ」
「悪い冗談! 彼らに競争の意味を教えるべき!」
「これはやめるべき」

 このように、試合中は勝利を争って真剣勝負をすべきとの論調も多かった。なお、この回に3点を失ったニューイングランドは0-3で敗れている(THE ANSWER編集部)