海洋プラスチックごみ問題に見る、EUのしたたかさと日本の発信力
長野県で開催されたG20軽井沢会合。会場近くには、日本企業が開発したリサイクル製品や素材技術がずらり展示され、さながら先進技術の見本市の様相だった。
今回のG20サミットは、海洋プラスチックごみが主要議題のひとつとなった。プラスチックごみをめぐっては、最大の受け入れ国であった中国が2017年に輸入を禁止したことから先進国のプラスチックごみが東南アジアなどの途上国に殺到し、国際問題として大きくクローズアップされた。深刻な海洋汚染が報じられたことも社会的な関心の高まりに拍車をかけ、対策機運を高めた。
日本は議長国として対策をめぐる一連の議論を主導し、参加国は海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有した。各国が行動計画を策定し自主的に削減に取り組み、進捗状況を報告する国際的な枠組みも創設。今秋には、新たな取り組みへ向けた初会合を日本で開催予定で、具体策を協議する。
本質はどこに
海洋プラスチックごみ問題は、廃棄物の適切な管理とともに3R(リデュース、リユース、リサイクル)の重要性に目が向けられる発端となったことは事実である。しかし、サーキュラー・エコノミーは、プラスチック製品のリサイクルにとどまるものではなく、もっと広範で、かつ経済政策に直結する概念だ。廃棄物処理や3Rを通じた循環型社会の実現は今に始まった話ではないが、どこがどう異なるのか。
ポイントは「サーキュラー」(円)にある。これまでの大量生産・大量消費は、調達→生産→消費→廃棄といった一方向の経済であるのに対し、再利用や再生産はもとより、省資源の製品開発、さらには修繕を重ね繰り返し使用することや、製品の利用形態を所有から共同利用へと転換させるといった取り組みを通じて、資源をできるだけ循環(サーキュラー)させていく発想だ。
