自分の会社で精一杯…中小企業だから成功したSDGsでの発想転換
「知らないと若い人を採用できない」
千葉商科大学と日刊工業新聞社が6月20日に開催した「第3回わが社のSDGs勉強会」では、試行錯誤で取り組み、予想外の効果を出し始めた中小企業が本音を語った。
「学生がSDGsを勉強している。知らないと、採用できないよ」。この言葉が決め手になった。SDGsのキーワード「誰一人取り残さない」にも、中小企業の経営者として心を動かされた。「SDGsは魔法の言葉なんだ」
ただ、プロジェクトチームを作る余裕はなく、自分で動くしかない。社内ではなかなか理解されない。
発想をジャンプ!
杉浦社長は、いろいろな人に相談しながら、大きく発想をジャンプさせた。近隣住民向けに愛犬とのイベント「ドッグフェス」を開き、SDGsを知ってもらうゲームなどを組み込んだ。SDGsは本業を通じての貢献が推奨されているが、そこにこだわると動き出せない。「SDGsを知ってもらう場をつくることも貢献になる」(杉浦社長)と話す。
犬とSDGsも直接関係はない。同社が事業を行う地域は、子どもよりも犬の数が多いため、「ドッグフェスが喜ばれる」(同)というのが理由。発想を飛躍させて柔軟に取り組めることも、中小企業の強みの一つ。従業員や賛同して協力した別の中小企業も「SDGsはよくわからないが、お客さまのためならやろう」と動いた。
予算は1カ月の広告費数十万円とトントンになるように収めた。フェスは約1000人を集客し、広告と考えても効果としても抜群だった。社員教育にもなった。杉浦社長は「中小企業だからできることがある」と話す。
杉浦さんの取り組みを聞いた千葉商科大学の橋本隆子副学長も「本業に関係ないことをしているようだが、広告や社員教育として本業に関係させている」と膝を打った。手探りで始めた“Dogフェス×SDGs”は、社会への価値提供と事業成長を結びつけるCSV(共有価値の創造)の事例だ。
