営業出身の生産担当役員は極めて異例、スバル「企業風土改革」のキーマンを直撃
スバルはここ2年、検査不正と品質問題に揺れ続けた。無資格者による新車の完成検査や燃費・排ガスデータの改ざんが発覚したほか、自動車の基幹部品であるバルブスプリングや電動パワーステアリングの不具合が見つかり、大規模なリコールに発展した。
スバルは再発防止に向け、組織の抜本的な見直しに着手した。不正の温床となった国内唯一の生産拠点である群馬製作所(群馬県太田市)のトップに営業出身の細谷和男副社長をあてた。群馬製作所のトップに営業出身者が就くのは異例だ。
細谷副社長は中村社長の同期。営業畑が長く、スバルの代名詞となった運転支援システム「アイサイト」の営業戦略を主導した。「しがらみがなく、企業風土改革のキーマンになる」(スバル幹部)と周囲からは期待の声があがる。細谷氏に本人にインタビューした。
「もうワンランク上の品質に高める」
―完成車検査不正や大規模リコール(無料の回収・修理)でモノづくりに関わる問題が噴出しました。
「製造部門で風土改革、品質改革を進めている。製造だけでなく、開発やサプライヤーを含めて一体となって設計段階から改革する必要がある。熟練工が当たり前にできる作業も、経験の浅い作業員が同じようにできるとは限らない。無理をして作業していては問題が生じる。製造の仕方を含め上流にフィードバックして現場を見直している。もうワンランク上の品質に高める」
―品質の向上に向けて5年間で1500億円の設備投資を計画しています。
「製造から開発の全ての工程で品質をよくするためにやるべきこと、やった方がいいことを洗い出し、優先順位をつけて取り組む。投資額の大きさだけが一人歩きしてはいけない。品質の向上に、飛び道具のような対策はない。自動車の製造が高度化する中で、この設備を入れれば終わりというものはない」
