いずれも劇的な展開で勝ち上がったリバプール(左)とトッテナム。果たして決勝はいかなる展開に…。(C) Getty Images

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 欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)は、いよいよ決勝進出の2チームが決まったね。今季は4連覇を狙ったレアル・マドリーが敗れ、スペイン勢の連続制覇も5でストップ。準決勝はいずれも劇的な展開でリバプールとトッテナムが勝ち上がり話題になったけど、今回はいわゆる“常連”が勝てなかった大会と言えそうだね。

 
 ヨーロッパリーグ(EL)の決勝もチェルシー対アーセナルのカードになり、CLもELもイングランド勢の対決となったのは史上初めてだそうだ。そうした点から見ても、プレミア勢の充実ぶりが窺える。もちろん、ネイマールがパリSGへ行ったり、クリスチアーノ・ロナウドがユベントスへ行ったりしたことで、スター選手が各国に分散した影響もあるかもしれないけどね。
 
 一方で、準決勝で敗れたものの、大躍進を遂げたアヤックスは、去年のワールドカップ出場権を逃したオランダの復活をも予感させるような快進撃だった。オランダのエールディビジも今季はアヤックスのほか、PSV、フェイエノールトと3強が巻き返してきて、新しい若い選手が数多く出てきている。バルセロナの衝撃的な敗戦が物語るように、ヨーロッパの勢力図も着実に変わりつつあるようだね。
 
 そうした世界的な舞台で日本人の選手が活躍できていないのは、寂しいことだよ。今季は長谷部がフランクフルトの主軸としてELの4強入りに貢献したけど、CLでは決勝トーナメントに出場した選手はひとりもいなかった。現役の日本代表より、元日本代表のほうが活躍しているのはちょっとした皮肉だね。
 
 アジアレベルで見れば、スタメン全員を海外組で揃えているのは日本くらいだけど、ワールドスタンダードでは、これが現状なんだ。ワールドカップではアジアで唯一16強入りしたとか、ベルギーに良い勝負をしたとか言っても、世界ではまだまだ蚊帳の外。
 
 逆に、韓国はソン・フンミンがトッテナムの攻撃のキーマンとして存在感を見せているよ。今シーズン後半戦を前に、日本の“ふたりの10番”がトルコや中東に行ったのとは、まったくもって対照的だ。
 
 昨年のワールドカップ後は“新BIG3”とか“半端ない”とか、威勢のいいキャッチフレーズがバンバン聞かれていたけど、2019年に入ってからの日本サッカーはどこか停滞気味だ。
 
 トルコへ移籍した香川はほとんどスタメンに絡めていないし、ゴールも最初のインパクトは大きかったけど、あれ以降は1点だけ。中島も中東に行ってからは欧州のマーケットでは名前を聞かないね。最近では堂安もぱったり当たりが止まっているようだし、GKの権田はポルティモネンセで試合に出られていない。
 
 ベルギーでは鎌田が15得点、豊川が9得点をマークしていて、明るい材料もあるにはあるが、日本人選手が世界のトップレベルで勝負できていないのは明らか。代表から離れた長谷部のほうがよりトップレベルに近い舞台で話題になっているようではね……。
 
 世界を見ても、トップの舞台で活躍できるタレントがいるかどうかは、本当に重要な問題だよ。アルゼンチンはワールドカップ以降、(今年3月まで)メッシが不在で不甲斐ない試合が続いていたし、ワールドカップに出られなかったイタリアもオランダとは対照的にこれといった若手のタレントが出てこないね。ドイツにしてもバイエルンやドルトムントは前線を外国人にばかり頼るから、点取り屋が育たない。どんな強豪国もこうした課題を抱えているものだけど、やはりまたトップの座へ返り咲こうとシビアな目で問題に向き合おうとするはずだよ。
 
 じゃあ、日本にはいつになったら世界で戦えるタレントが現われるのか。これまで長い目で見守って…とは言ってきたけど、コパ・アメリカで日本代表入りが濃厚なFC東京の久保やアントラーズの安部とかが早く本物にならないと、いつまでたってもベスト16の壁は乗り越えられないんじゃないかな。