車種によってはスマートキーの微弱電波をオフにするモードが存在

 昨年あたりから話題になっている、スマートキーの微弱電波を傍受して、クルマを盗み出す「リレーアタック」。便利さを悪用するタチの悪い手口だが、深刻な被害も出ているので、何らかの対策は必要といえる。とりあえず、以下の4つの対策を試してほしい。

◆リレーアタック防止ポーチ

 スマートキーを入れるための専用ポーチで、中に入れるとスマートキーからの微弱電波が外に漏れない電波遮断グッズになっている。乗降のたびに出し入れするのは多少面倒だが、電波の遮断性は信頼できる。1000円前後で売っているので、とりあえずこれを使えば安心だ。

◆節電モードに設定して電波を出さない

 トヨタやスバル車なら、微弱電波をオフにする機能があるのでこれを利用する。

 設定の仕方は以下。

 1.スマートキーのドアロックボタンを押す

 2.ロックボタンを押したままロック解除ボタンを2回押す

 3.スマートキーインジケーターが4回点滅すればOK

 トヨタ車は2013年以降、スバル車は2016年以降のクルマにこうした機能が付いている。この設定をすれば、電波を傍受される心配はなくなる。

盗難車ランキングの1位は4年連続でプリウス

◆携帯灰皿を使う

 100円ショップなどで売っている、蓋がホック式になっていて、内側にアルミ箔が貼られている携帯用の灰皿にスマートキーを入れれば、電波を通さず、リレーアタック対策になる。安価で用意という意味でけっこうオススメ。

 同様に、アルミ箔でスマートキーを完全に包むというのも効果があるが、利便性にはやや難があり、スタイリッシュさにも欠けるのが難点。

 アルミの缶、ブリキの缶で密閉するという手もあるが、電波を遮断する効果は完璧とはいえない……

◆セキュリティグッズを使う

 オーソドックスなハンドルロック(バー)から、本格的なセキュリティシステムをインストールするというのももちろん効果的。セコムのココセコムなど、GPSの追跡装置などもいいかもしれない。

 とくに高級車は、セキュリティシステムの導入を考えておきたいところだが、日本損害保険協会の自動車盗難事故実態調査によると、盗難車ランキングの1位は4年連続でプリウス(2017年11月のデータ)。ベーシックな車種でも盗難対策は必要だと思ったほうがいい。

◆その他

 プロの窃盗団が暗躍しているケースが多い現状では、万が一に備え、車両保険にきちんと加入しておくのも大事な対策。駐車する場所もセンサーライトが点くところ、人目に付きやすいところ、防犯カメラのあるところなどを選び、クルマを降りたら、怪しい人がついてきていないかなどをチェックするのもリレーアタックの対策に(微弱電波を傍受するために、スマートキーを持った人に接近しようとしてくるため)。

 煩わしいかもしれないが、年間1万台もの盗難事件が発生している以上、何らかの備えはしておこう。