「年休」義務化、仕事が回らないと焦る企業がやるべきこと
従来、年休は、労働者が請求する時季に与えることとされていた。しかし、2017年の年休取得率は51・1%と、ようやく半分を超えた程度である。
厚生労働省の調査によると、労働者の約3分の2は年休取得にためらいを感じており、その理由としては、「みんなに迷惑がかかると感じるから」「後で多忙になるから」「職場の雰囲気で取得しづらいから」が目立つ。また、やや古いが、労働政策研究・研修機構の11年の調査では、いわゆる正社員の約16%が年休を1日も取得していないという結果も出ている。
どうしたら義務化に対応できるか。まずは現状把握である。全従業員の年休取得実績を調査し、年5日の年休すら取得できていない者を抽出する。該当者にはその理由を確認し、どこに年休が取りにくい原因があるか探ってみる。
その原因が手続きにあるのなら、年休付与日数や残日数について本人に明確に伝え、計画的に取得するよう促したい。一方、「業務が回らないから休めない」というのであれば(こちらの方がはるかに多いだろう)、普段から主担当者が休んでもある程度の対応ができるように、業務のマニュアル化や情報共有を徹底したい。業務量そのものの見直しも必要であるし、部署によって偏りがあるようなら、再配置を検討すべきだろう。
この先、働き方改革を進めるに当たっては、「誰かが休んでも仕事が回る体制」を作らなければならないだろう。時間の制約なしに働ける人が今後増えるとは思えないからだ。今回の改正を、その仕組みを整える第一歩と捉えたい。
(文=高橋美紀<中小企業診断士>)
