香川、中島、乾に東京五輪世代も動いた冬の移籍。ロシアW杯後、日本人選手の市場評価はどう変化した?
逆にロシアの舞台に立てなかった中島翔哉の移籍金が3500万ユーロ(約40億円)に跳ね上がり、むしろ注目を集めているのはさらに若い東京五輪世代だ。すでに欧州の所属クラブで結果を出している冨安健洋(シント=トロイデン)や堂安律(フローニンヘン)には争奪戦の噂が広がり、彼らと競いかけるかのように板倉滉がマンチェスター・シティ経由でフローニンヘンへ、中山雄太もズヴォレへと移籍した。
かつて日本が輸出するのは、テクニカルな攻撃的MFに偏り、クラブ側も入念なスカウティングを重ね、実績を重視して獲得に踏み切った。だからこそ即戦力の代表選手にオファーが限定されてきたが、最近はオランダ、ベルギー、ポルトガルなどのクラブが投資狙いで若年層の発掘に乗り出している。現在ハンブルクでプレーする伊藤達哉のように、まだプロとしての実績を残す前にJアカデミーから直接欧州のクラブと契約する選手も目立ち始めた。
その背景にあるのは、JFAやJクラブなどによる積極的な国際交流だろう。昔から日本の若年層の素材は見劣りしない。初めて見る現地のクラブ関係者には、驚きに近い好印象を与える。こうして日本の選手たちがスカウトの目に留まる機会が増えると、現地クラブ側の青田買い意欲を十分に刺激した。
また先のアジアカップ決勝では、ついにスタメン全員が海外組になり、当然選手たちも国内に止まっていては日本代表入りが難しいと感じ始めている。選手たちのニーズが高まれば、需要に応えようとする代理人も増え、ルートは拡散してきた。日本の企業が買収したシント=トロイデンには評価額が高まりそうな日本人選手が次々に集まり、冨安、鎌田大地などは最初の成功例になりつつある。その点で日本人のGM(立石敬之氏)を据えたことが、選手の発掘見極め等で優位に働いている。

