フードジャーナリスト小松宏子さんに聞いた、必ず喜ばれる京の手土産 1:「名月堂」のニッキ餅

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多くの人から愛される街、京都。訪れたからには間違いのないお土産を選びたいもの。そこで、フードジャーナリストして活躍する小松宏子さんに「知る人ぞ知る」京都の手土産を教えてもらいました。

国内外を問わず、多くの人を惹きつける街、京都。「京都通」もたくさん存在するなかで、手土産には何を選べばいいのか? そこでフードジャーナリストとして活躍し、京都にも足繁く通っている小松宏子さんにおすすめの品を選んでもらいました。誰に贈っても喜ばれる、ついでに自分のためにも買いたくなる手土産とは?

ニッキの香る和製マシュマロは、花街で愛される庶民の味

ニッキ餅という名前に、もっちりとした餅菓子を想像しているなら、大間違い。口に入れるとふわりと溶けてニッキの香りが広がる、くせになるような美味しさのお餅です。

町のざっかけない和菓子屋さん、そんな風情の「名月堂」は、昭和25年に創業。京都の五大花街の一つである宮川町に移転したのが昭和54年のことです。現在は二代目が、初代の味を受け継ぎ、一つ一つ丁寧に手作りしたお菓子が地元で愛されています。なかでも一番人気は、経営の神様と呼ばれた松下幸之助さんも大好物だったというニッキ餅。羽二重粉を蒸して、泡立てた卵白、漉し餡、砂糖、肉桂を入れて練って作るのだそう。初代が考案したニッキ餅はもう少しかたいものでしたが、二代目が改良を重ねて、今のふわふわの食感にいきついたと言います。ほかに黒糖と抹茶味もあり、いずれ劣らぬ美味ですが、京都らしさといえば、やはりニッキ味でしょう。1個120円(税込)という良心的な価格もあって、お土産にしたいと、6個、10個と箱に詰めてもらう客が引きも切らず訪れます(箱代別途50円)。日持ちは3日間ですが、冷凍できるという奥の手もあるそう。必ず喜ばれる、知る人ぞ知るお土産の名品です。