3月1日に事業を停止していた奈良スポーツ(株)(TDB企業コード:455008898、資本金9800万円、奈良県磯城郡田原本町大網100、代表吉岡栄次氏)は、10月19日に奈良地裁葛城支部へ自己破産を申請し、11月15日に同支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は松井和弘弁護士(奈良県奈良市西御門町2、新奈良法律特許事務所、電話0742-25-0098)。財産状況報告集会など各期日は2019年2月4日午後1時30分。

 当社は、1946年(昭和21年)7月創業、70年(昭和45年)1月に法人改組したスキー靴の製造業者。全国の大手スポーツ用品店や商社向けに「GEN FACTORY」のブランド名で販売を行っていたほか、トレッキングシューズなども扱っていた。スキーブームであったバブル期の91年4月期には年売上高約51億1800万円を計上。96年にはスキー靴で30万足を出荷するほか、契約選手が冬季五輪で入賞したこともあるなど実績、知名度を得ていた。

 しかし、バブル崩壊以降はスキーブームが下火となったことに加え、海外メーカーとの競合が激化し、立て続けに不良債権が発生したこともあって、97年4月には和議を申請(負債総額約65億円)。その後も事業は継続していたが、和議債務が残り、長らく債務超過の状態が続いていた。

 また、近年の年売上高は5億円台にまで落ち込み、2015年〜2016年と、2016年〜2017年の2シーズンにわたり暖冬となったことで、2017年4月期の年売上高は約3億8500万円にまで減少していた。運転資金や設備投資は自己資金と代表一族および一部取引先からの借入金で賄っていたものの、業況に回復が見られず、先行きの見通しが立たなくなり今回の措置となった。

 負債は約33億円。