新タイプの化粧品を生み出した資生堂の“COE構想”
「未来のお客さまが何を欲しているかを開発の起点にする」。グローバルプレステージブランド事業本部の長谷部伸スキンケアCOE部長は熱を込めて話す。近年、自身でひと手間加えて使う製品が増加していることに着目。効果だけでなく、スキンケアのプロセスを楽しめるような製品の開発に挑んだ。
資生堂では世界に通用する強いブランドを育成すべく、各カテゴリーにおいて最先端のエリアで情報収集・戦略立案・商品開発などをリードするCOE構想を実行している。スキンケアの拠点は日本に置いた。
長谷部部長は「スキンケアCOEのキーワードは“イノベーション”。そのためにオフブランド、オフカレンダーで研究を進めている」と明かす。
期限設けず
同部門では、製品に落とし込めるか否かを問わず、多くの人が求めるモノやコトを開発する。製品に限らず、体験やサービスの提供なども含めて既成概念にとらわれないモノづくりをするという。期限も設けず、試行錯誤を繰り返せる体制だ。
この体制が実を結び、「SHISEIDO アルティミューン」ブランドの製品に落とし込むことに成功したのが今回のアンプリファイング ナイトマスクだ。長谷部部長は「各成分を新鮮なまま封じ込められるフリーズドライに着目した。手の上でくずれない強度と早く溶けるやわらかさを両立させた」と胸を張る。6個入り4200円(消費税抜き)で2月に発売する。
発想力と機動力
スキンケアCOEは年間1―2件、新たなモノやコトを創出すべく、研究を進めている。いるだけでスキンケアになる空間作りの構想もあるという。
イノベーションを起こすには発想力と機動力が求められ、フットワークの軽い中小企業の方が向いている。長谷部部長は「社内に“中小企業”をいくつ作れるかがカギになる」と笑顔を見せる。産みの苦しみを乗り越えるべく、試行錯誤を続ける。
(文=門脇花梨)
