日本代表復帰は淡すぎる期待か。内田篤人がまとう痛々しさ
少なくとも、そのレベルには全く達していなかった。にもかかわらず内田は、戦力的にはJリーグでも1、2を誇る鹿島でスタメン出場を飾った。川崎戦という大一番で。西、伊東という有能なライバルを抑えて、だ。
いわゆるベテランには知名度がある。前回、あるいは前々回から出場しているので馴染みがある。安心感もある。広告的な価値も高い。監督やクラブ、協会が、使わざるを得ない雰囲気、選ばざるを得ない雰囲気を備えている。
だが、30歳以上はマックス5人まで、平均年齢は27歳以下という、代表チームのあるべき姿に照らせば、ならば誰を外すかというバランス論を併せて述べるのが本筋だ。
実力が同じなら若手を--は、なおざりになりがちな価値観だ。短期的な視点に立てば、実力が同じなら知名度が高いベテランを--の方が、得策かもしれない。しかし、日本代表は次回も、次々回も永遠に存在する集団だ。引き続き応援したいなら、長期的な視点に基づくべきなのだ。安易にベテランを持ち上げるなと言いたくなる。本当に代表ファンなのかと、疑いの眼差しさえ向けたくなる。
西野朗新監督は日本サッカー協会の前技術委員長。成績が欲しい代表監督ながら、誰よりも長期的な目を備えていたはずの人物でもある。彼がどれほど勇気を持ってベテランを切ることができるか。その腕前のほどに注目したい。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。