【ソウル聯合ニュース】韓国大韓航空の趙顕ミン(チョ・ヒョンミン)広告担当専務(34)が広告代理店の社員にパワハラをしたとする疑惑に対し、警察が正式捜査に先立ち法規に違反したかどうかを確認する調査に着手した。ソウル江西警察署が13日、伝えた。調査で嫌疑があると判断すれば正式に事件番号を付与(立件)することになる。

 趙顕ミン氏は大韓航空を中核とする財閥、韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長の次女。広告業界によると、顕ミン氏は大韓航空の本社で先月16日に行われた同社の広告を担当する代理店社員らとの会議で、質問にうまく答えられなかったという理由で代理店の社員に対し声を張り上げ、顔をめがけて水をかけたとされる。

 今月2日、同代理店で利用する匿名交流サイト(SNS)アプリにこうした投稿があり、顕ミン氏は同社に「自分が間違っていた」とするメッセージを送って謝罪したという。警察は顕ミン氏の行動が暴行、業務妨害に当たるかどうかを検討中とされる。

 ただ、大韓航空側は一部の事実を認める一方、顔に水をかけたのではなく床に向けて水の入ったコップを投げたと説明している。

 顕ミン氏の姉の趙顕娥(チョ・ヒョンア)氏は大韓航空の副社長だった2014年12月、自社旅客機内で客室乗務員のナッツの出し方に怒って滑走路に向かっていた機体を引き返させた、いわゆる「ナッツ・リターン事件」を起こした。同社を巡るパワハラ疑惑が再び物議を醸している。