Opal Loop / Cloud Installation | 1980 | New York City, USA (Collaboration with Trisha Brown Dance Company) Photo: ©Johan Elbers (June 12, 1980)

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 霧のアーティストとして国際的に活躍する中谷芙二子と、世界で初めて人工的に雪の結晶をつくり出した科学者で中谷の父・宇吉郎の展覧会「グリーンランド」中谷芙二子+宇吉郎展が、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催される。会期は12月22日から3月4日まで。
 タイトルの「グリーンランド」は、晩年の宇吉郎が雪氷研究に打ち込んだ地。銀座メゾンエルメスのガラスブロックを氷の大地に見立て、室内で霧の実験に挑む芙二子の新作「Glacial Fogfall」や、2人が時を隔てて撮影したグリーンランドの写真などを展示する。作品を通じて、常に変化する自然や環境に対峙してきた2人のチャレンジ精神の交錯と対話が描き出される。
 芙二子は1933年に宇吉郎の次女として誕生した。絵画制作を経て、1966年にニューヨークで芸術と科学の協働を理念とした実験グループ「E.A.T.(Experiments in Art and Technology)」に参加。1970年に大阪万博ペプシ館で、水を使った人工霧による作品「霧の彫刻」を発表して以降、世界各地で80作品を越えるインスタレーションやパフォーマンスを手掛けてきた。建築や音楽、ダンス、光など他ジャンルのアーティストと共同制作も行っている。