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配偶者の不倫が発覚したら、あなたはどう行動するだろうか。品川庄司の庄司智春さんは、10月中旬放送の「特盛! よしもと」(読売テレビ)で、妻の藤本美貴さんに「(庄司さんの不倫が発覚したら)離婚しないで両方つぶす」と宣言されていると明かした。

発言したとされる藤本さんの真意は不明だが、離婚しないことで、逆に相手を苦しめたり、相手が浮気相手と再婚することを阻止したりする狙いもありそうだ。しかし、「つぶす」はともかく、仮に相手が望んだ場合であっても「離婚しない」ことは可能なのだろうか。村上真奈弁護士に聞いた。

●「不倫しても有責配偶者とならない場合もある」

「結論からいえば、浮気をした庄司さんが離婚を望んだ場合には、条件を満たせば、裁判所において離婚が認められる可能性はあります」

村上弁護士はこのように指摘する。

「当然のことですが、離婚したいと裁判所に申し立てできるのは、浮気をされた側だけではなく、不倫をした側からも可能です。誤解されている方もいるかもしれませんが、不倫をした人=有責配偶者(婚姻関係が破綻する原因を作った人)ではありません。

配偶者の不倫が主な原因となって婚姻関係が破綻した場合にのみ、不倫した人が有責配偶者となります。不倫が発覚する前から、すでに婚姻関係が破綻していた場合や、婚姻関係破綻の原因が双方にあるような場合には、不倫があっても有責配偶者とならないこともあります」

つまり「浮気をした」ことのみをもって、有責配偶者と言えるわけではないのだ。

●有責配偶者からの離婚が認められるためには?

では仮に将来、庄司さんが浮気をし、かつ有責配偶者であると言える場合にはどうなるのか。

「裁判では、有責配偶者からの離婚請求は、次の3要件が満たされないと『信義に反する』(信義則違反)として認められないのが原則です。

(1)相当長期の別居期間がある

(2)未成熟な子がいない

(3)離婚により相手が精神的、社会的、経済的に苛酷な状況におかれない

(1)の別居期間は、何年経ったらいいという明確な基準はありません。双方の年齢や同居期間との比較で判断されます。別居期間が6年で長期にあたると判断したものであれば、8年で長期にはあたらないとしたものもあります。

(2)未成熟な子というのは、未成年というわけではなく、保護を要するかという点で判断されます。18歳未満でも離婚が認められた例がある一方で、成人していてもお子さんに疾患や重い障害があって離婚が認められなかった例もあります。

(3)は特に『経済的』な面が重要です。

これらの要件を満たし、信義に反しない状況であれば、有責配偶者からの離婚請求も認められることになります。

自分が有責配偶者で、相手が離婚を拒否した場合は、相当長期の別居は覚悟した上で、誠意を見せ、十分に財産や経済的援助をした方が離婚に近づきます。逆に、生活費を渡さなかったり、相手や子どもにひどい対応をし続けたりすると、いつまで経っても離婚が認められなくなる可能性もあります」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
村上 真奈(むらかみ・まな)弁護士
千葉県弁護士会所属。夫婦・親子の問題に特化した事務所を運営。事務所は年間約600件の離婚相談に対応し、全国でも有数の取扱件数を誇る。他の弁護士からの紹介案件も多い。「自分の人生を作るのは自分自身。今の人生が不満なら一緒に変えていきましょう。」
事務所名:弁護士法人とびら法律事務所
事務所URL:http://www.tobira-rikon.com