アストロズのジャスティン・バーランダー【写真:Getty Images】

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避けようとして空振り三振の珍事、逆王手を呼んだ“魔球”「抱腹絶倒のワンシーンだ」

 米大リーグのリーグ優勝決定シリーズは20日(日本時間21日)、アストロズがヤンキースを7-1で下し、3勝3敗のタイに戻した。負ければ敗退の崖っぷちで先発したジャスティン・バーランダー投手が7回で8三振を奪い、5安打無失点の快投。特に、魔球のようなカーブで打者がよけながら空振り三振を奪ったシーンを米「FOXスポーツMLB」の公式ツイッターが動画付きで紹介すると、ファンから「まるでマシーンのようだ」「なんて残酷なボールなんだ」と衝撃が広がっている。

 なぜ、よけようとしたのにバットが出てしまうのか。そんな驚きのシーンが生まれたのは、0-0で迎えた5回2死だった。

 右腕バーランダーは8番の右打者フレージャーに対し、カウント1-2と追い込んだ。バックネット裏のファンは三振を期待して立ち上がる。そして、思い切り腕を振って投げ込んだのはカーブ。次の瞬間、打者もびっくりの軌道を描く。

 一瞬、高く浮き、ボールになるかと思われた。実際、打席で対峙したフレージャーは頭部付近に来ると思ったのか、上体を反らし、避けようとした。しかし、白球はベース手前から急激にブレーキがかかって落ちた。ストライクゾーンに入り込んできたボールに対し、フレージャーは慌ててスイングしたが、完全に振り遅れ。全くタイミングが合わず、バットは空を切った。

 球速は83マイル(133キロ)。投げ終わって捕手のミットの位置を見れば、ド真ん中である。にもかからず、打者を避けようとさせながら空振りさせてしまうのだから、恐れ入る。結果的に不格好なスイングを生み、中継していた実況陣も思わず、一瞬、笑ってしまったほどだった。

ファンから仰天の声続々「まるでマシーンのよう」「抱腹絶倒のワンシーンだ」

 スタジアムが熱狂したシーンを「FOXスポーツMLB」は公式ツイッターに動画付きで紹介。「ジャスティン・バーランダーはただただフェアではない」と紹介した横からのスローモーションでは、完全にボールが通過した後にバットがスイングされていることがわかる。そんな場面を見たファンから仰天の声が続々と上がっている。

「こんな風に振らされるのを見ることはかなり稀だ。なんてピッチだ」

「困惑させられるな」

「手錠はかけるが刑務所にはぶちこまない、それと同じだ」

「まるでマシーンのようだ」

「なんて残酷なボールなんだ」

 新人王、MVP、サイ・ヤング賞、最高防御率、最多勝2度、奪三振王4度など、数々の賞を総ナメしてきた年俸2800万ドル(約31億7000万円)の右腕に対し、称賛するコメントともに「抱腹絶倒のワンシーンだ、間違いなく!」と“笑撃”を呼んだことがうかがえる声も相次いでいた。

 この三振から流れが生まれたチームは直後に3得点。そのまま一気に流れをたぐり寄せ、7-1で快勝し、3勝3敗のタイでワールドシリーズ進出に逆王手をかけた。バーランダーは7回8奪三振で無失点の快投。まさに、あの1球が逆転世界一への呼び水になるかもしれない。