罪悪感のないおやつ、ブリスボールとは


今年のスイーツトレンドのひとつに、「ギルトフリー」というキーワードがある。ギルトフリー(guilt free)とは、「罪悪感なし」という意味。明確な定義はないが、ヘルシーな素材を使っていたり、無添加にこだわっていたりするものが多い。

もともとは海外発のトレンドだが、最近は日本でもギルトフリーのお菓子が増えている。なかでもカラフルでお団子のようにかわいいのが、オーストラリア発祥のギルトフリースイーツ「ブリスボール」だ。



材料はドライフルーツやナッツが中心。それらを細かくして、直径約3cmのボール状に丸めたシンプルなものだ。素材本来のやさしい甘さがあるが砂糖不使用。さらに、グルテンフリーで添加物なし。ブリスボール発祥の地であるオーストラリアでは、ヨガなどをやっている人を中心に広まり、手作りする人も多いが、カフェなどでも売られている。

日本では昨年、日本初のブリスボール専門店「FOOD JEWELRY」が誕生した。実店舗はなく、オンライン販売を中心としたブランドだ。

実際にFOOD JEWELRYのブリスボールを食べてみると、いろいろな素材を混ぜてあるので、味がとても豊かなことに驚かされる。ナッツの食感が残っているので食べごたえもあり、1個でもかなり満足度が高い。しかも栄養価も高いというから、まさにギルトフリーなスイーツなのだ。

手作りブリスボールに挑戦!


まだ売っているところがほとんどないこともあり、日本でも手作りする人が増えてきた。試しに、インスタグラムで「#ブリスボール」のタグを検索してみると、かなりの数がヒットする。

そんななか、FOOD JEWELRY代表の坪井玲奈さんが、ブリスボールの作り方やライフスタイルへの取り入れ方を伝える新プロジェクト「ブリスキッチン」をスタート。その一環として、日本初のブリスボールの手作りキットを発売した。ブリスボールは、いろいろな材料を混ぜ合わせて作るため、材料集めが少々面倒。キットを使えば、その手間を省けるというわけだ。



どれくらいカンタンにブリスボールが作れるのか? 手作りキット体験会に行ってきた。

今回、販売された手作りキットは全4種で、ミキサーを使うタイプが3種、ミキサー不要タイプが1種だ。料理をあまりやらない人にとっては、ミキサーを出したり片づけたりするのすら面倒に感じるだろう。体験では、よりカンタンなミキサー不要の「ブリスボールミックス」を使った。



手作りキット「ブリスボールミックス」には、くるみにオートミール、ココナッツファイン、カカオニブが入っている。まずは、それにバナナと変色防止のためのレモン汁をいれてよく混ぜる。



生地がまとまったら、ラップに大さじ1〜2杯ほどとり、好みでカカオニブやくこの実などをトッピングする。



ラップでくるみ、おにぎりのように丸めたらできあがりだ。



コロンとした形がなんともかわいらしい。説明を聞きながらゆっくり作ったものの、完成まで10分もかからず、想像以上にカンタンだった。食べてみると、しっとりした生地にくるみの食感がいいアクセント。バナナの風味もたまらない。

ちなみに今回はバナナをいれたが、あくまで一例であり、茹でたかぼちゃやニンジンでもOK。身近な食材でアレンジできるのがブリスボールの特徴であり、たとえば、スポーツをする男性ならプロテインパウダーをいれてエナジーバーがわりにしたり、冷えが気になる女性はジンジャーパウダーをいれたりしてもいいそうだ。

日持ちは生のバナナなどを使った場合、冷蔵庫で2〜3日、冷凍庫で約1カ月が目安。火を使わないので衛生管理が重要であり、作るときは使い捨ての手袋を使うなどして直接手で生地を触らないことが大切だそう。

5月25日には坪井さんによる日本初のブリスボールのレシピ本『ブリスボール グルテンフリー 砂糖なし 添加物なしのヘルシーフードをはじめよう』も発売された。ブリスボールの魅力や身近な食材で作れる30のレシピが掲載されている。もっとブリスボールを楽しみたい人には、こちらもおすすめだ。



いろんなシーンで食べられるブリスボール





ブリスボールは男性にも人気もあるそうだ。
「バレンタインには、甘いものが苦手な男性へのギフトとして買う方も多くいました。甘いものが苦手な男性でも、ブリスボールは食べられるという方は多いですね。」(坪井さん)

紅茶やコーヒーはもちろん、意外にワインにも合うので、お酒のおつまみにもなる。ワインに合わせてナッツやドライフルーツを食べるのに似た感覚だ。

「オーストラリアでは、たとえば、今日の夜は飲み会だからランチを軽くしたいというときに、主食がわりのブリスボールとサラダを食べている方もいますね」(坪井さん)
1個20gで約100kcalなので、1個で小さ目のパンくらいの満足感がある。

おいしくてクセになるブリスボール。いろいろな楽しみ方ができそうだ。

(古屋江美子)