4月9日、新宿の人気ラーメン店「凪」が、昆虫食の普及に取り組む大学生・篠原祐太さん(通称 地球少年)とのコラボで、「虫つけ麺」の試食販売イベントを開催。

客は雨の中でも、開店1時間前の朝10時から店の前に行列をなし、この日用意された虫つけ麺は100食完売、また午後3時から開始された「コオロギラーメン」も30食を売り切った。2月にも行われた「凪」と篠原さんのコラボイベントだが、改めて昆虫食の関心度の高さを示した形となった。



ということで、ここからは、篠原さんと「凪」店長の小林敦さんから、虫つけ麺やサイドメニューとしても大人気で50食売り切った「ワーム(イモムシ)春巻き」のレシピをそれぞれ教えていただきます。

まずは虫つけ麺を作ります。
どんな料理にもマッチするオーソドックスな旨味を持つ「コオロギ」、癖がなく、淡泊ながらもしっかりとした旨味のバッタ、濃厚な香りと個性的な風味をもつカイコ。3種類のつけダレが楽しめるつけ麺メニューです。



虫つけ麺の材料(1人前)


 特製の平打ち麺  300g
 チャーシュー 薄切り  5〜6枚
 粉末コオロギ/粉末バッタ/粉末カイコ   小さじ1杯
 スープ割り  フタホシイエコロオギ2種類、イエコオロギ1種類の計3種類の乾燥コオロギ

 

虫つけ麺の作り方  【 1 】スープ割りを作る


 スープ割は、コオロギダシ100%です。
 (1) 味が濃いフタホシコオロギと、シンプルな味わいが特徴のヨーロッパイエコオロギをブレンドし、 バランスをとります。
   フタホシコオロギはメーカー違いの2種類。加熱方法によって味わいも異なります。



 ( 2 ) フライパンで炒めて、香ばしさを出します。

 ( 3 ) 炒めたものを、寸胴にいれて、沸かしながら煮出し続けます。
   

虫つけ麺の作り方 【 2 】つけダレを作る



 ( 1 ) 3種類の粉末を用意します。
    コオロギの粉末(イエコオロギ2種、フタホシコオロギ1種の粉末)
    バッタの粉末
    カイコの粉末



 ( 2 ) バッタの粉末には刻みショウガ、カイコにはニンニクを合わせます。

 ( 3 ) それぞれの粉末を、先に作っておいたコオロギ出汁のスープで割り、丼に入れます。



虫つけ麺を作るキッカケ


「普通のつけダレを作る時でも、魚粉を使うことがあります。そこから、虫の粉末を使ってみることにしました。
バッタとカイコの商品をお出ししたのは、試食会でTAKEOさんの商品をいろいろ試し、皆で美味しいねというところで意見があったこととそれぞれの昆虫の味の違いを楽しんでほしかったからです」(小林店長)

虫つけ麺が美味しくなるコツ・ポイント


麺の上に彩りが欲しいときは、こんなトッピングも考えられます。



※この盛り合わせの内訳は・・・
コオロギ お好みで    
ワーム  お好みで
エディブルフラワー  適量   
菊の花    適量      
芽ネギ   適量

「盛り合わせのテーマは『地球への感謝』。春の時期に、地球から新しい命が生まれ、草木も芽生えてきた。地球のすべてに感謝してともに冒険を歩んでいこうというメッセージ」(篠原さん)

続いてミールワームが入った春巻きを作ります。サクサク感がたまらない揚げたワームと、ほかの野菜との食感のバランスも最高なサイドメニューです。



ワーム春巻きの材料(1人前)



 春巻きの皮
 キャベツ、ピーマン、エノキ、たけのこ、ミールワーム いずれも適量で

 調味料
  ラーメンに使う塩だれ
  水溶き片栗粉 
  ポン酢(お好みで)

イモムシ春巻きの作り方


( 1 ) キャベツ、ピーマン、タケノコはせん切りにする。エノキもなるべく刻む。太さをワームに合わせるのがポイントです。
( 2 )( 1 )を、フライパンで炒めます。
( 3 ) ワームを180度の油でじっくり揚げます。
   中身が出るまで炒めると、ほかの具材に負けないサクサクとした食感が出ます。



( 4 )野菜に火が通ったら、鍋に「揚げたワーム」を入れて、水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつけ、かき混ぜながら、軽くひと煮立ちさせます。
( 5 )ひと煮立ちしたら、春巻きの具を人肌程度に冷ましておきます。



( 6 )春巻きの皮で包み、揚げ焼きにします。

ワーム春巻きが美味しくなるコツ・ポイント


・春巻きに包む野菜は、ワームの長さと同じくらいに刻んでおきます。
・お好みでポン酢でも召し上がれますが、このままでもしっかり味がついているので美味しく食べられます。

ワーム春巻きを作るキッカケ


「サイドメニューとして考えました。以前、中国で、竹の芯を食べて育つ小さな蛾の幼虫「タケムシ」の揚げ物を食べた経験があり、そこから揚げたワームを使うことになりました」(小林店長)。

この日はほかにも、イナゴの佃煮ご飯、イナゴとトノサマバッタも粉末にしたアイスも出ました。

最後にこの日、実際に食べたお客さんの声をアンケートから抜粋させていただきました。

お客さんの反応


・虫、苦手な中で食べて、最初は恐る恐るだったけど、最後はつけ汁だけで飲みたくなるほど美味しかった。個人的にはコオロギ好きです!!昆虫食っていう新しい発見もあって良かった。

・つけダレが3種もあってとてもこだわってるんだなぁというのが伝わってきました。美味しかったです。ビジュアル的にも「あ、虫食べてるんだ自分」ってのが自己認識できて、印象にも残るし他にシェアしたくなる。「食は冒険」って感じのエンターテイメント性も高かったです!

・深みのある味わいの王道コオロギ、豚骨のような旨味と香りの蚕、コクと爽やかな醤油のダブルで香るバッタ。豪華3種のつけダレ。ラーメン凪のポテンシャルも重なり、とてつもなく満足した。美味しかったです!!

小林店長(左)と篠原さん。今後どんなワクワクさせてくれるメニューを生み出してくれるのでしょうか? 乞うご期待!



(内堀たかふみ)