台湾メディアの聯合報などによると、中国当局は台湾への団体旅行の「人数枠」を大幅に削減した。台湾の旅行業界などに衝撃が走った。蔡英文次期総統は、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に対するビザ免除により、外国人観光客の人数を確保することを検討しているという。(イメージ写真提供:123RF)

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 台湾メディアの聯合報などによると、中国当局は台湾への団体旅行の「人数枠」を大幅に削減した。台湾の旅行業界などに衝撃が走った。蔡英文次期総統は、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に対するビザ免除により、外国人観光客の人数を確保することを検討しているという。

 聯合報によると、台湾の多くの旅行業者が大陸側から、1月末から、台湾への旅行客の割り当てを現在の3分の2程度に縮小するとの連絡を受けた。

 台湾の旅行業界団体である中華民国旅行公会全聯会で秘書長を務めた経験のある許高慶氏によると、大陸側から台湾の旅行業者に対して、旅行者の人数枠を削減するとの連絡があった。団体客だけでなく、個人旅行者も大きく減少する見通しという。

 2015年に台湾を旅行した大陸人は418万人だった。大陸客の大幅減は、台湾の旅行関連業界にとって大打撃になると見られている。大陸側ではすでに、台湾への旅行希望者に対する手続きの進行が、遅くなったという。

 台湾側の対中窓口機関である行政院大陸委員会は22日、「大陸客の台湾旅行が減少すれば、(台湾海峡)両岸の良好な交流に影響が出る」として、大陸側当局に対して支障を出さないよう求めた。

 蔡英文選挙対策事務室の張景森政策執行長は26日、関係業者と政府観光局局員を招いて、対策会議を開催した。同会議では、ASEAN10カ国の国民に対して、ビザを免除する方針が打ち出されたという。台湾政府で観光業を所管しているのは、交通部観光局だが、観光局長を交通部次長の兼任にするなどで、同局の権限を強化することを検討するという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)