得失点差1の争い!川崎工科が生田との直接対決制し、県大会へ!

4番・二瓶(川崎工科)

 川崎地区予選Dブロックの最終日。2試合が川崎工科高校グラウンドで行われた。ここまで各チーム2試合を戦い、川崎商が2敗。生田が2勝、勝ち点6。川崎工科と菅が1勝1敗勝ち点3で並んでいる。ここで注目すべきは得失点差。菅のマイナス1、川崎工科のプラス3と比べ、2勝の生田はプラス7とリードしているように見えるが、この日の最終戦、川崎工科は生田との直接対決となる。最終戦2試合の結果いかんでは県大会出場校ががらりと変わる状況だ。両者の得失点差は4。もし川崎工科が勝つ展開であれば、2点差で同点。しかも、直接対決に勝利する事になるため、かなり優位に立つことが出来る。逆に生田は最終戦までトップに立ちながら地区予選敗退ともなりうる。しかし川崎工科は勝利しても1点差であれば、県大会出場は自力では決められず、第2試合の菅vs川崎商に委ねられる。いずれにせよ、どちらにとっても負けられない戦いとなる。

 そんな緊張感の中、第1試合、川崎工科と生田の対戦は川崎工科・代田、生田・八山の両先発で定刻よりやや早く開始された。

 試合が動いたのは3回表。生田は一死から8番・鈴木がヒットで出塁。ヒットとエラーで二三塁とさらにチャンスを広げるが、三塁走者が飛び出し刺され、二死となる。やや生田ムードがしぼみかけたが、二死三塁から1番・佐藤がタイムリーを放ち1点を先制する。

 何としても勝利が必要な川崎工科はその裏、この回先頭の8番・鈴木がショート前でイレギュラーする執念ともいえる打球を飛ばし、出塁。その後二死三塁から2番・本杉のタイムリーでまず同点に追いつく。3番・飯島が四球を選び一二塁とすると、続く4番・二瓶もタイムリーを放ち、川崎工科が逆転する。

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2番手・渡辺(生田)

 生田は4回表、3番・鈴木がヒットで出塁後走塁を決める。得点圏に走者を送り込むが、ここは川崎工科先発・代田が踏ん張り得点を許さない。

 逆に5回裏、川崎工科は4番・二瓶の内野ゴロの間に1点を追加。ついに得失点差上で同点に追いつく。

 一転、追いかける立場になった生田。川崎工科も、リードはしているが1点も失えない状況。お互い追い込まれて、プレーが固くなっていく。

 生田は6回表、1番・佐藤が無死から四球を選び出塁。二死一、三塁まで持っていくが得点ならず。さらに7回表には連続で四球を選び一、二塁とプレッシャーをかけるが、後続が打ち取られる。8回表には一死から3番・細川が左中間を破るツーベースで出塁。4番・藤原のライトフライで三塁に進むが、本塁までは遠く…と、あと1本が出ない。

 9回表にも生田はこの回先頭の6番・澤田がセンター前へのヒットで出塁しワイルドピッチで二塁まで進むも、その後3連続でフライを打ち上げてしまい、ゲームセット。川崎工科がギリギリの意地をみせる格好で逃げ切りに成功。ひとまず生田との直接対決を制し、自力で県大会行きの切符を手にした。

(文=青木 有実子)

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