グーグル検索のマイナーチェンジがウェブ・トラフィックへの大打撃となる?
グーグルのアルゴリズムに起きた小さな変化が、大きな痛みをもたらすかもしれない。
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ウェブサイトへのトラフィックを最適化することについては、多くの報告から、労力を投じる価値がある分野はソーシャルメディアだけ、という説が信じられている。しかし、新たなアドビの調査では、グーグル検索はいまだ支配的な勢力だということが判明した。その影響力ゆえに、アルゴリズムがわずかに変化しただけで、ウェブ・トラフィックに重大な変化が即刻で生じることになる。
グーグルは、あるサイトが同社のビジョンと合致するか否かで、ウェブサイトに対し、意図的にアメとムチを与えてきた過去がある。最近では、スマートフォンの画面に合わないテキストが表示されるなど、モバイルに最適化していないウェブサイトの検索順位を下げる決定をした。
この変化はやはり少なからぬ影響をもたらした。
世界規模の検索エンジン市場で70.8%のシェアを占めるグーグルが、スマートフォンから見やすいウェブサイトを重視したため、トラフィックが減少し、ウェブサイトの運営コストは全体的に上昇した。報告では、この現象がグーグルの「ハルマゲドン」ならぬ「モバイルゲドン」だと言われている。
「モバイルゲドン」によるノックアウト
5,000ものウェブサイトを追跡したこの調査によると(PDF)、グーグルがこのポリシーを実施してからわずか2か月後には、ウェブサイトへのトラフィックが最大10%近く減少した。この数字はさほど大きくないように思えるかもしれないが、大量のコンテンツを抱えるサイトにとっては、深刻な落ち込みとなりうる。
おそらくさらに重要なのは、この変化によって、モバイルに対応していないと判断されたウェブサイトの運営コストが、より高くつくようになることだ。サイトのオーナーの中には、グーグルを使ったオーガニック検索によるトラフィック減少を補うため、広告を買う場合もあった。
ウェブコンテンツの制作者は買う広告の量が増えただけではない。広告の「1クリックごとのコスト」が16%上昇し、インタラクションごとのコストが増大することとなった。
グーグルがウェブ検索を牛耳っていることは誰もが知っている(見返りがあるからこそ、同社は検索エンジンの最大手企業と呼ばれているのだ)。だが、このような状況には、同社の影響がどれほど深刻であるかが表れている。
グーグルに賛同しないウェブサイトには悩みの種が
ここ数年、グーグルはアルゴリズムを微調整し、Demand MediaのeHow.comのように大量のコンテンツを抱えるサイトを不当に扱ってきた。同サイトは人気記事を数多く掲載しているが、グーグルは中身のある情報がないと判断した。
Demand Mediaの事業はほとんどがグーグルのトラフィック頼みであったため、このような措置が取られてまもなく、トラフィックの低下に悩まされることとなった。
グーグルは将来的に、特に健康に関する情報の場合、憶測ではなく、科学的に認められた事実を掲載するウェブサイトを優先する予定だと報じられている。これは、アンチ・ワクチン接種の活動家のように、一般の意見とは異なる非主流派のコミュニティに大きな影響を及ぼす可能性がある。もちろん、これが良いニュースか悪いニュースかは、読者の立場によるだろう。
だが、この動きのせいで、東洋医学やホリスティック・ヒーリング、代替医療に関する教育サイトはグーグルのスポットライトを外れ、日陰の身に追いやられたままとなるかもしれない。
「モバイルゲドン」の報告数よりも、ユーザーが情報やメディアを見つける際に、グーグルがどれほど広く影響を与えるのかを何とか数値化したという事実のほうが重要だ。これを教訓としよう。検索エンジンの最大手企業の機嫌を取りたいなら、同社の優先事項に従うことだ。
つまり、グーグルの優先事項を無視するサイトには苦悩が待っているということである。読者のウェブサイトも、無名のサイトに転落してしまうかもしれない。
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画像提供:Ari Bakker
Gregory Ferenstein
[原文]