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ボットに手助けが必要なのはなぜか

フェイスブックはiOS版アプリにサービスの中核をなす情報のストリームであるニュースフィードを、ユーザーがより多くコントロール出来るよう変更するという発表を行った。Androidおよびデスクトップ版についても近日中に同様の変更が加えられる。

フェイスブックは創生期から人々が最も興味を抱いていることは何か、誰と最もよく関わっているか、どの様なコンテンツが無視されやすいのか、投稿がどれほど注目を集めているかなどを割り出すアルゴリズムに依存しており、そういった意味でこの変更は注目に値するものだ。

このアルゴリズムアプローチにはアマゾンのお奨めリストの他、音楽やメディアその他の分野にいくつもの先例がある。

そして今、フェイスブックはそのコントロールの一部をユーザーに託すという動きを見せており、同社のアルゴリズム主体のサービスに従っていた人々はその考えを改めさせられる事になるだろう。

「自分にとって何が意味あるかを最も理解していることはユーザー自身だということは理解している。彼ら自身が目にするものに、より多くのコントロールを与えようというのはそれが理由だ」と、フェイスブックのプロダクトマネージャ、ヤコブ・フランツはいう。

ニュースフィードの手作業による調整はこれまでも可能ではあったが、どの様に調整するのかを決めるのは難しいことであり、その効果を判断するのも簡単な事ではなかった。しかし今回の変更でこれらの調整は難しいものでは無くなった。

今回の更新で最も目を引く点は、ユーザーが表示させる特定の人やページに優先順位をつけられるというところだ。これはアップデートがあった際に常にニュースフィードに表示させるVIPリストの様なものであり、フェイスブックをあまり頻繁に使わない仲の良い友達の投稿の取りこぼしを防ぐことに役立つだろう。これはかつてのフェイスブック・アルゴリズムではなかなか拾えていなかった部分だ。

何を見たいのかを一番よく判断できるのがユーザー自身というのは明らかなことだが、同時にそれを纏めるのに時間や労力を取られるのを彼らが好まないというのも明らかだ。例えばGoogle+サークルなどを見れば分かることだろう。フェイスブックは今回の変更で、ちょうどいいバランスを探り当てようとしているのかもしれない。

アルゴリズムに警戒せよ

アルゴリズムによって見たいものを纏めることは、膨大な量のデータを賢く処理できるかどうかにかかっている。アマゾンからNetflixにいたるまで、我々がこれまでに何を見たかに基づいて次に何を勧めるかを決めている。

これのおかげで我々はデータにおぼれてしまうことなく多くの知り合いからの投稿や、3000万ものSpotifyのトラック、携帯からアップロードされるすさまじい量の写真にタグ付けする事が出来る。自分の写真にゴリラというタグ付けをされることを望む人がいないというのはグーグルがつい最近発見したことだが。

音楽ストリーミングサービスでは、お奨め機能で各社がしのぎを競っており、人力およびソフトによる情報の取りまとめがキーポイントになってくる。Apple MusicのBeat 1ではまさに本物のDJを雇っているが、Google Play Musicのmood stationの選曲は完全にアルゴリズムだ。

TwitterのWhile You Were Away機能からYoutubeのあなたのおすすめまで情報の取捨選択を伴うときはいつであれ、人の手による調整は必要だ。もしアルゴリズムに頼り切るのであれば、それは本当に良くできたもので無ければならない。ユーザーにフィードバックを行うのであれば、便利かつ直感的に出来る必要性がある。人力での調整を行うのであれば、オーディエンスが求めるものに対して、鋭く機械的でない感覚が必要になる。

マイクロソフトの年齢判定プログラムが全然年齢を当てられないのは笑って済ませることが出来るものだが、フェイスブックが思い出したくもないイベントの事を勝手にフィードするのは冗談ではない。アルゴリズムがどんなに素晴らしいものだとしても、人の常識にははるか及ばない。フェイスブックのニュースフィードとて同じことだ。

画像提供:Facebook

David Nield
[原文]