気軽に“おもてなし”を! 訪日外国人と日本人をつなぐマッチングサイト

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筆者の姉はかつてバングラデシュ人と結婚していた(すでに離婚)のですが、たまに姉宅へ泊まりに行くと、日本との文化の違いを如実に感じることができました。まず、食卓に出てくるメニューが違う。決まった時間には礼拝を行うし、好んで聴いている音楽も日本人とは明らかに違う。
今考えると、実はあれって貴重な機会だったのではないか? 極めて身近な関係性の中で国際交流を体験できていました。

ただ、筆者のシチュエーションはかなりのレアケースと言えるでしょう。他の人が国際交流する場合、そこにはいくつかのハードルが存在します。数々の手続きを経て国外でホームステイしたり、国内で活動する外国人コミュニティにアプローチしたり……。この時点でくじけてしまう方、少なくないのでは?

そこで、ご紹介したい。観光サービスを展開する株式会社ヒューマンビークル(東京都品川区)が5月28日に立ち上げた「Visipa!(ビジッパ)」は、いわば訪日外国人と日本人をつなげるマッチングサイトであります。

「Visipa!」のシステムは?


では、このサイトのシステムを以下にご説明します。まず「Visipa!」は基本的に登録制で、そこには「ホスト」と「ゲスト」という役割があります。
ホスト……イベントを企画する日本在住の人。日本人でなくてもOK。
ゲスト……イベントを体験する訪日外国人。日本人でもOK。
(1)ホストがイベントを企画
(2)ゲストがイベントを予約
(3)希望日時や人数がマッチングすれば予約成立→イベント開催。イベントにはゲスト1人あたり500〜5000円の料金が発生するが、料金設定はホストの判断に委ねられる。

この「イベント」とは、何ぞや?
例を挙げると、日本人が我が家に外国人を招いて家庭料理の体験会を開催したり、地元の商店街を食べ歩きしたり、日本のアイドルのライブを海外のファンとともに観覧して楽しんだり……。

どんなイベントが開催された?


実際に「Visipa!」では、以下のようなイベントが今までに開催されています。
・地元の居酒屋に外国人を案内!

・自宅で書道体験(訪日外国人の名前も漢字で書いてもらう)

・自宅で折り紙体験会

「お手本として折り鶴を作ってあげると『この紙で作るの!?』『今、見えなかった。ちょっと待って!』と、外国人の方々も新鮮な衝撃を受けていたようです。日本人には当たり前のことでも、海外の方にはまさにカルチャーショックなんですね」(担当者)

上記の例でわかる通り、イベントは簡単なものでOK。自分の「好き」「ちょっと得意」をイベント化したら、それらが意外にも外国人にとっての“体験してみたいこと”として映るかもしれません。

「2014年に訪日外国人は年間1300万人を突破し、今後まだまだ増えると予想されます。そんななか、2度3度と日本を訪れる人には『より日本の文化が知りたい!』という欲求があるはず。だからこそ、一般の方々がそれぞれの目線で日本を紹介したら、ガイドブックには載っていないリアルな文化が知れて楽しんでもらえるのではないかと考えました」(担当者)

なるほど。茶道を体験するにしても寺院等へ赴くより一般家庭で椅子に座ってテーブルの上で体験した方が、より市井の雰囲気をつかめる。しかもホームステイという形式にある高きハードルが、このサイトを介すとググっと下がるわけで。ちょっとした“おもてなし”も気軽にできそう。

気軽に国際交流を体験!


一方、ホスト側にもメリットは存在します。
「外国人をイベントに招待すれば、気軽に国際交流を体験できます。例えば親御さんがホストになって外国人を招けば、お子様に国際交流の機会を与えてあげることにもつながります」(担当者)

理由と目的は、問いません。「自分の英語が通じるか試してみたい」「子どもに生の英語を触れさせたい!」などなど、モチベーションは何でもあり。ホストとゲストの接点となるイベントがあれば、自ずと斬新な国際交流の場が生まれるのです。
なるほど。「国」と「国」ではなく、「人」と「人」が出会う新しい観光スタイルの提案と言えますな。