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この動きは大きなプランの一部に過ぎない

人々が大好きな、あるいは大嫌いなSNSであるフェイスブックはMessengerでの成功を減速するつもりは無いようで、FBのアカウントを持たない人でも電話番号があればこのメッセージングサービスにサインアップできるようにするつもりだ。

Messengerを使ってるユーザーが不足してるわけではない。既に700万人がサインアップしており、それでもフェイスブックは十分ではないと考えているようだ(MessengerはライバルであるWeChatとそれが抱える500万のアクティブユーザー
をこき下ろしているが、それでもこの数字は世界中で800万のユーザーを獲得した広く使われているフェイスブックの別のメッセージングアプリ、WhatsAppと比べて大きく劣る数字とはいえない)。

なぜこの様な戦略をとるのだろう? それはより多くのユーザーがMessengerを使うことで、より多くの開発者も自分の土俵に招き入れることになり、やがてそれは潜在的に大きな利益を生むことになるからだ。

さらなるユーザーのために

フェイスブックのF8開発者カンファレンスにて。アプリがMessengerとどの様に結びついているかを示す一例

フェイスブックはMessengerのユーザーをSNSを警戒している層にも広げたがっているようだ。フェイスブックには14.4億人のユーザーがいるが、携帯電話を持ってる人数はそれよりも多い。

そしてここからが開発者にとって話が胡散臭いものになってくるところだ。

もしMessengerで収益を上げれるチャンスがあるのであれば、成長し続ける大きなユーザーベースと共にそれは存在し続けるし、開発者のコミュニティもそこで競争を繰り広げる事になる。フェイスブックのMessengerチームはこの二つを成し遂げようと考えているのだ。

お金の話

WhatsApp、Instagram、Messengerのオーナーと話すKPCBのアナリスト マリー・ミーカー

フェイスブックはこれまでもアプリ製作者にとってのゲームやその他(もちろん広告も含む)の為のプラットホームとして魅力的なものであり続けようとしてきたが、F8開発者カンファレンスにおいては主にMessengerにスポットを当ててきた。3月には投稿へのビデオの埋め込み、アプリリンクなど数多くのツールを公表した。

この事は特にモバイルアプリ製作者にとって明らかな利益となった。Messengerから直接iOS/Androidアプリにアクセス出来るようになることは、ユーザーをひきつける事に繋がるからだ。FBメッセンジャーのチーフ デイビッド・マーカスはF8カンファレンスで、何度も「開発者にこれらのプラットフォームで開発する機会を与えたい」と説明した。

ゲームやビデオ再生、あるいは知り合いへの送金へのシングルアクセスポイントとしてのアプリとの統合は、ユーザーをMessengerに引き止めることに繋がるかもしれない。フェイスブックは人々がメッセンジャーのこれらの利便性についてお金を払うと考えているかもしれないが、その可能性は薄い。フェイスブックはアプリの利用に課金しないし、Messengerをより多くの人々に使ってもらおうとしている最中だ。

フェイスブックがユーザーに課金しないのであれば、お金の出所を別のところに見つけようとするのではないか。開発者への課金だ。

フェイスブックは広告に置ける豊富な経験があるが、それらの多くは単純な広告によるものではないだろう。そして彼らですらメッセージングアプリに広告を仕込むことはユーザーの反感を買う手っ取り早い方法だということを分かっているだろう。しかし広告業界に置けるペイ・パー・クリックモデルはアプリのダウンロードに大きな影響を与える可能性がある。

もしMessengerでの有料アプリダウンロードやアプリ内課金が可能になれば、その取引額のいくらかをFBは自分のものにするかもしれない。

他のチャットアプリは様々な方法で収入を得ている。WSJによれば、中国のWeChatはタクシーを呼んだり服を買ったりといったアプリを通したトランザクションの一部から収益を上げている。この記事によれば、WeChatやスタンプの販売で収入を得ている韓国のLINEは、マーカスにあるヒントを与えるものかもしれないが、彼は更に「アジアで起こった事を飛び越える何かが必要だ」という。

いろんな解釈が出来る、興味深い発言ではある。フェイスブックはMessengerで大成功を収めるために出来ることを何でもやるということなのかもしれない。

画像提供:Adriana Lee for ReadWrite

Adriana Lee
[原文]